豆知識

お盆を神道的に考えてみると?由来やお祀りの仕方について神主さんに聞いてみた

牛太郎
牛太郎
「お盆」っていえばやっぱり仏教の行事だよね?
だから神道ではお盆の時期に特別なことはしなくて良いと思ってるんだけど…
きつね
きつね
いやいやそんなことないよ。
むしろ神道だからこそご先祖さまをちゃんとお迎えしなきゃね。

「お盆」って聞くと仏教の行事だと考えている人が多いかと思います。

それなら、神道ではお盆に何もすることはないということになるのでしょうか?

この記事では、

  • 「お盆」の由来
  • 「お盆」の時期
  • お祀りの仕方

について紹介していきたいと思います。

広告


「お盆」の由来

「お盆」といえば、仏教の行事だと考えがちなんですが、実は、お盆は日本固有の先祖祀りがもとになっています。

意外なんですが、お盆が仏教と結びついたのは江戸時代のこと。

幕府が檀家制度により、庶民の先祖供養まで仏式でおこなうことを強制したために、お盆は仏教の行事と誤解されるようになったんですね。

なので神道の家庭でも、お盆の期間中は、自宅の祖霊舎を清めて、季節のものをお供えし、家族でご先祖様をお祀りしていたわけです。

ちなみに、仏教行事のお盆は『盂蘭盆経(うらぼんきょう)』という教典によるものです。

その内容は、仏弟子の目蓮が餓鬼道に落ちて苦しんでいる母親を救うため、釈迦の教えで7月15日に修行を終えた僧侶を百味の飲食を供えて供養したところ、その功徳により母親を含め、七世の父母(七代前の先祖)までを餓鬼道から救済することができたという孝行説話に基づくもの。

仏教が伝来すると、盂蘭盆会(うらんぼえ)の行事が諸寺院でおこなわれるようになり、当初は僧侶の供養が中心でしたが、その後、江戸時代に、日本古来からの祖霊祭祀と結びついて、ご先祖様を祀る「お盆」となります。

このような「盂蘭盆会」の由来を考えると、お盆というのは、地獄に落ちた先祖の魂を救うためのものなので、実は、祖先をお祀りすることとはほど遠い面があることを知ると面白いですね。

ところで、夏のお盆ではご先祖様の御霊(みたま)をお祀りしますが、お正月は神さまをお祀りします。

一見、バラバラの行事のように見えますが、神道的には2つの行事はつながっています。

というのも、ご先祖さまをお祭りすることと、神さまをお祀りすることとは本来渾然としているものだからです。

自らとつながりのあるご先祖さまをお祀りすることで、ご先祖さまが徐々に昇華され、神さまとなった、とも考えられますからね。

そういう意味で2つの行事はつながっていて、年中行事としては、夏のお盆がご先祖さま、お正月が神さまをお祀りする二大行事として重視されているわけです。

広告

お盆の時期

では、なぜ日本人の多くが仏教渡来以前から夏に祀りを行っていたかというと、夏の祀りには、先祖祀りとともに、豊作を祈る側面があったからです。

というのも、「お盆」を過ぎると稲の開花がはじまります。

稲の開花後にはすぐに台風の季節がやってきます。

つまり、農業の厄月ともいえる9月を避けつつ、稲の開花前に豊作を祈る祀りを行う必要があったために、その直前の8月15日前後が夏の祀りの時期とされたわけですね。

ちなみに、明治以前の太陽太陰暦におけるお盆の時期は7月13日ごろですが、この7月13日は、太陽暦を採用した明治6年から1か月早まることになります。

そのために「月遅れの盆」として8月13日から15日までを盆の期間とする地方もあり、この記事ではこの「月遅れの盆」の時期に沿った記載としています。

現在、地域により7月か、8月の15日前後にお盆が行われますが、大まかに、

  • 東京や静岡の一部地域:7月13日からの4日間
  • 関西やほかの地域:8月13日からの4日間

となります。

いずれにしても、日本固有の大切な「先祖まつり」の時であることにわかりはありませんね。

広告

神道的お祀り方法

お盆に関する様々な書籍を調べてみましたが、仏教の形式に沿ったお盆の迎え方は書かれていても、神道の形式で記載されたものは見つかりませんでした。

ただ、神道式でのお盆のお祀り方法について神主さんに確認したところ、以下のようになります。

  • 祖霊舎(祖霊棚・御霊舎)の榊や供物を神棚と同様に献じる
  • お盆の時期には魚や野菜・果物・菓子、故人が在世中に好んだ品物、集まった家族が食するものなどを霊前に献じる
広告

まとめ

牛太郎
牛太郎
そっか〜、お盆の時期にご先祖さまをお祀りするのはもともとは日本固有のものだったんだ!
きつね
きつね
そうそう。それが仏教の教えと結びついて今に至ってるんだよね。
だからむしろ神道だからこそご先祖さまをしっかりお祭りしなきゃいけないんだよ。

それでは最後までお読みいただきありがとうございました。

みなさまの開運を心より祈念いたします。

広告

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA