神社によっては破魔矢が人気で新年から大行列…
なんてこともありますが、そんな破魔矢にはどんな意味があるんでしょう。
「破魔矢」なだけに、なにか悪い流れを断ち切ってくれそうな雰囲気がありますが、実は、お正月をにぎわす明るい意味合いのものでもあるんですね。
この記事では、こうした破魔矢について、
- 意味や由来
- 値段の相場
などを詳しくお伝えしていきたいと思います。
こちらの記事は以下の書籍などを参考に作成しています。
- 神社検定公式テキスト①『神社のいろは』<扶桑社>
また、現役の神主さんに監修もしてもらっています。
破魔矢の意味と由来
このブログでは必ず全国の神社を総括する神社本庁の見解を確認することにしていますが、その神社本庁では破魔矢について、
魔除けの飾り矢で、絵馬や鈴が付けられていて「御神矢」とも呼ばれています。
出典:『神社のいろは』
と説明しています。
そして、破魔矢に付いた絵馬にはその年の干支が描かれていたりして、1年間を通して飾り続ける縁起物ともされています。
つまり、破魔矢は魔除けであり、縁起物でもあるというわけですね。
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ちなみに、縁起物というのは、年初や縁日に参拝者に授与され、家の神棚や床の間、玄関などに飾っておくと神さまからの加護が得られ縁起が良いとされているものです(お寺からなら仏様から)。
破魔矢のほかにも、
- 注連縄(しめなわ)、門松などの正月飾り
- 熊手
- お多福の面
- 招き猫
- 宝船
などがあります。
破魔矢を魔除けや縁起物として神社で授与するようになった由来としては、
- 正月の弓射の行事
- 男児の初正月に破魔弓を贈る習わし
の2つがあるといわれています。
正月の弓射の行事
現在も全国各地の神社で弓射の行事を見ることができます。
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【イベント情報】1月20日(日)9:00~、百島(ももしま)八幡神社「お弓神事」開催。
室町時代の「嘉吉(かきつ)の乱」が由来となった伝統行事で、島内の各地区から選ばれた男たちが次々と矢を射ていきます。●お弓神事(おのなび)https://t.co/dfmnrlBPg1#onomichi #尾道 pic.twitter.com/5mDEKzlBGw
— 🌸尾道観光協会[おのなび](広島県) (@ononavi) 2019年1月18日
この弓射の行事にはいくつかの形態があって、
- 弓術の流派による武芸の奉納
- その年の作況を占う年占神事
などが見られます。
年占神事のひとつ
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矢の命中次々、豊作に期待大 熊野・大馬神社
熊野市井戸町の大馬神社で6日、一年の無事や豊作を願って矢を放つ「弓引き神事」が営まれ、住民や観光客でにぎわった。射手は町内の中村さんと上地さん、矢を拾う役は井戸小学校二年の前田君と赤崎君が務めた。
中日新聞 https://t.co/Qs9r6yfHqx pic.twitter.com/cmdjh8JMZu— jazieta (@jazietar) 2019年1月7日
男児に破魔弓を贈る習わし
江戸時代から明治の初期にかけては、男の子の初正月を祝って、破魔弓といわれる二張りの飾り弓に矢を備えたものを贈る習わしがありました。
今でも初正月に破魔弓と破魔矢を贈られるご家庭もあるようです。
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でも今では端午の節句で贈られることが多そうです。
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浅草橋久月で調達した破魔弓🏹 pic.twitter.com/IoMrCUyF6Z
— わかば🐄10m♂ (@wakabamzn_akr) 2018年12月30日
こうした破魔弓・破魔矢が簡素化されて、矢を魔除けとして神社で授与するようになったと考えられています。
破魔弓はあくまで「弓」がメインなので、破魔「矢」とは違う特徴ですね。
破魔矢は魔を破る矢と書くため、破魔矢の語源には、魔を退治するようなイメージがあります。
ですが、破魔矢は単なる当て字と考える説もあります。
その説によると、もともとは「はま」で、弓矢で射る的のことを意味したり、的を狙う弓矢の競技を意味したりして、そこから由来するのではないか、ということです。
以上が正月に神社で授与される破魔矢の由来になりますが、実は破魔矢は正月以外にも登場するシーンがありますので、以下に紹介します。
上棟祭の破魔矢
破魔矢は建築工事の無事を祈願する上棟祭(棟上げ)の際に、弓とともに使われる習わしも残っています。
神社の上棟祭で破魔矢を飾られるのは普通にあります。
遠くにみえるのは一般の家庭の上棟祭かな…
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なんと!
ご近所でも上棟祭 pic.twitter.com/QmUvZB5Ang— 石巻市羽黒山 鳥屋神社 toya jinja -ishinomaki- (@JinjaToya) March 7, 2020
上記ツイートのほかにやっと見つけた画像です。
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花巻市で進む住宅新築の現場。
無事に建て方作業が進み、棟上げが完了。
昔ながらの上棟式を行う事になりました。
屋根の上に破魔矢を立て、吹き流しを設置します。
恒例に餅巻きも行い、とても楽しい上棟式でした。https://t.co/Fb4BhUA80R pic.twitter.com/a8RJBC1kNL— 岩井沢工務所 (@iwaizawa) 2016年9月29日
上棟祭での正式な破魔矢の祀り方では、鬼門の方角の東北や裏鬼門の方角の南西に破魔弓と破魔矢を立てて、この方向に向けて弓の弦を鳴らす所作、すなわち鳴弦の儀を行います。
こちらから実際の鳴弦の儀の様子が確認できます。
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七五三の破魔矢
こちらの破魔矢はちょっとイレギュラーかも。
というのも、きつね宅近くの神社で子供たちの七五三をした際に、神社からお受けしたものだからです。
七五三で破魔矢を授かるのがどれほど一般的なことなのかわかりませんが、こうした事例もあるということで紹介しておきます。
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【七五三でお受けした破魔矢】
破魔矢の値段
破魔矢の初穂料は、だいたいどこの神社でも、
1,000〜2,000円程度
となっています。
例えば、熱田神宮だと、3種類の破魔矢から授与されていて、
- 干支破魔矢 1,000円
- 厄除破魔矢 1,000円
- 大破魔矢 2,500円
となっています。
熱田神宮では干支破魔矢が人気。
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熱田神宮の犬の破魔矢、可愛くて爆売れしていた pic.twitter.com/OGETTFv5gg
— Shohei Isezaki (@kutusitaken) 2018年1月1日
また、東京大神宮では、
- 幸せ結び御神矢 1,000円
- 破魔矢(商売繁盛) 2,000円
で授与されています。
年中授与されているようです。
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どよーびに、東京大神宮行って破魔矢買ったよ。3月になって破魔矢買う人。だって、売ってるんだから、買ってもいーじゃない。 pic.twitter.com/ZGDOyfK0bG
— chelseagirl (@chelseagirl0813) 2016年3月7日
明治神宮では、
- 守護矢 1,000円
- 鏑矢(かぶらや) 2,000円
で授与されています。
今日は明治神宮にて奉納謡初めでした。
現地での写真は撮り損ねましたが、授かってきた破魔矢と御神饌を。皆様にも福徳がありますように…。 pic.twitter.com/cxmfoD3iLU— 金子 聡哉 (@KanekoToshiya) 2016年1月4日
お受けした破魔矢の飾り方や処分方法はこちらでチェック!
まとめ
この記事をまとめると、
- 破魔矢は魔除けであり縁起物でもある
- 破魔矢は正月の弓射の行事や男児に破魔弓を贈る習わしが簡素になったもの
- 破魔矢の値段は1,000円〜2,000円程度
- 通常は正月期間限定で授与されているのでその時期以外は事前に要確認!
となります。
それでは最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。
みなさんの開運を心より祈念いたします。