前回の記事では、鳥居の意味、起源、くぐり方などについてお伝えしました。
ただ、鳥居については、もうひとつ気になるところがあるのではないでしょうか。
それは…
バリエーション豊富な鳥居の種類についてです。
一見、同じように見える鳥居でも、実はいろんな種類があります。
一説では60種類もあるとのこと。
この記事ではそんな鳥居の種類について可能な限り細かく、詳しく、画像などを交えて紹介していきたいと思います。
鳥居の種類
60種類もの形態があるとお伝えしましたが、それではちょっと細かすぎるので、もう少し大まかに考えてみます。
鳥居の種類を大まかに分けると3つの形態に分類することができます。
- 神明系鳥居
- 明神系鳥居
- 明神系から発展した鳥居
です。
それぞれの違いを理解するためには、鳥居の構造について理解しておく必要があるので、ここで少し整理しておきましょう。
①笠木
鳥居の最上部に位置する横木。
③島木とあわせて笠木と称する場合も。
②反り増し
笠木や島木が外にいくほど幅に増しがあること。
③島木
笠木の下に密着する形で設けられる横木。
④額束
鳥居中央にあって島木と貫に挟まれた短い柱。
額束に取り付けられ、社名や祭神などを記した額を「扁額」(へんがく)といいます。
⑤貫
笠木、島木から少し離れた下方で左右の柱を連結する横木。
⑥木鼻
笠木、島木、貫などの木の端(はな)。
⑦柱
柱に傾きをつけることを「転び」といいます。
また、柱を上部にいくほど細くすることを「スボリ」といいます。
柱脚部に設けられた、ある程度の高さのある根包を「藁座」(わらざ)または「根巻」(ねまき)といいます。
柱頭と島木の間に挟まれたあるしゅの台座のことを「台輪」(だいわ)といいます。
⑧亀腹or台石
柱の根元に設けられた円形の台座。
その形から饅頭(まんじゅう)とも。
形状によっては単に台石とも。
それでは、鳥居各部の名称を参考にして3種類の鳥居について詳しくみていきましょう。
神明系鳥居
神明系鳥居とは、笠木に反り増しがなく、基本的に水平・垂直な笠木・貫・柱からなる直線型の鳥居のことです。
島木もありません。
具体例は以下のようになります。
靖国鳥居
靖国神社の鳥居はご覧のとおり、水平・垂直に構成されています。
ようやく初詣に靖国神社へ。さすがに空いていたが思ったよりは参拝者いた感じ。数える程だったけど。昨年の初詣の際に買った御朱印帳とは別の御朱印帳に記帳してもらった。 pic.twitter.com/y1ZwnHfvGH
— TOJHO (@misttimes) January 23, 2021
鹿島鳥居
基本的な構成は島木がなく水平です。
木鼻があって、少し転びがあるのが特徴です。
鹿島神宮①
大鳥居
楼門
拝殿
奥宮
Canon ixy640で’19.02/24📷
(’19.02/28)#鹿島神宮 #大鳥居 #楼門 #拝殿 #奥宮 #茨城県 #you39RT #キリトリセカイ #ファインダー越しの私の世界 #ふぉと #自分的メモ pic.twitter.com/r3sqvKTJAI— 冬華菜 (@tokimari29) February 28, 2019
宗忠鳥居
基本的な構成は島木がなく水平ですが、額束と転びがあるのが特徴的です。
伊勢鳥居
転びがあって笠木の断面が五角形で両端が斜めに切られた襷墨(たすきずみ)になっているのが特徴です。
(内宮)
(外宮)
明神系鳥居
基本的に反りのある笠木・島木と貫・柱からなる曲線系の鳥居のことです。
日光東照宮
陽明門の前の二の鳥居
三代将軍家光が奉納し、唐銅鳥居とも呼ばれて、日本で最初の青銅製鳥居とされています。
【日光東照宮にお詣りに行ったよ⛩④】
石畳に立って鳥居の正中心で陽明門が綺麗に納まる場所が一番強いパワースポットらしいよ👀✨
この場所は陽明門・奥宮・家康さまが眠る宝塔と直線でつながって、この石畳の位置を地図上で直線を引くと江戸幕府の中心である江戸とつながるらしいよ⋆¨̮⑅✨ pic.twitter.com/kQhWgZnbV1— はちみつみるく (@178_honey) April 21, 2019
春日鳥居
笠木の反り増しがほぼなく、柱が太いのが特徴です。
【一之鳥居の…】
写真のように榊が2本立てられているのは実は年に2回だけです。先日行われた春日若宮おん祭と3月の春日祭の時には一対の大榊が立てられます。
-大きな祭りごとの最中です-という目安にもなりますね。祭典が終わると南側(写真右)の榊が外されます。#春日大社 #奈良 #鳥居 #榊 pic.twitter.com/ghWdBKBZk7— 春日大社 kasugataisha shrine【公式】 (@KASUGASHRINE) December 22, 2020
三柱鳥居
三つの鳥居が互いに向き合い、三角形を作ります。
それぞれの鳥居は明神鳥居に近いですが、額束がありません。
東京・江東~墨田 神社巡り
三囲神社
三角石鳥居(三柱鳥居)
境内の目立たない場所にあるため、注意して探さないと見逃してしまいます。
説明板には三井邸より移すとあります。
オカルトチックな雰囲気ではありますが、井戸を守るための特殊な工夫なのでしょうか。 pic.twitter.com/mJY3afb3DV
— koiman (@koiman1984) June 1, 2019
住吉鳥居
基本は明神鳥居のつくりですが、柱が四角形であるのが特徴です。
明神系から発展した鳥居
明神鳥居のベースを残しつつ、さらに特徴的となった鳥居です。
両部鳥居
四脚鳥居、権現鳥居、宮島鳥居などとも呼ばれます。
柱の前後に稚児柱がつくのが特徴です。
「両部」というのは真言系の両部習合神道に由来する命名です。
代わりに?3年前の厳島神社の大鳥居をどうぞ pic.twitter.com/eiO7dnBllr
— 萬 (@k08_dib2) January 23, 2021
三輪鳥居
明神鳥居の左右に脇鳥居がつきます。
大神神社の拝殿から徒歩5分にある病気平癒を信仰する狭井神社⛩ 三輪山から湧き出たご霊水「薬井戸」もあります
檜原神社は山辺の道を大神神社から北へ1.5km(30分)ほどの三輪山麓に鎮座する⛩
こちらも本殿が無く三ツ鳥居に拝観します🙏 pic.twitter.com/J5e73JV0Il— みるきー (@milky1830) November 27, 2020
稲荷鳥居
朱塗りで、柱には台輪、笠木と藁座を黒くした稲荷鳥居です。
山王鳥居
明神鳥居の形状を踏襲しつつ、笠木の上に三角形の破風を乗せた形状が特徴です。
三角形が上に開けば「山」の字となって、下に開けば「王」の字となることから山王鳥居と称します。
日吉鳥居、合掌鳥居、破風鳥居などとも呼ばれます。
滋賀県大津市、日吉大社
平安京の表鬼門に位置を守る方除けの大社下から撮り逃しもあるかもしれませんが鳥居
有名なのは4枚目の山王鳥居ですが、それ以外は明神鳥居みたいですねあと山王鳥居にはありませんが最初の鳥居の神額は「日吉大社」ではなく
「日吉神社」なんですよね#日吉大社#鳥居 pic.twitter.com/3T6wId2sqJ— Redrum018 (@Redrum0181) September 7, 2019
まとめ
だいぶ紹介しすぎて混乱させてしまっていたらごめんなさい(汗
要は、鳥居には、
- 神明鳥居:島木がなく、水平・垂直が基本
- 明神鳥居:島木があって、反り増しなど曲線が基本
の2つのパターンがあることと、
それと、本文記事からもお気づきかもしれませんが、世の神社のほとんどが明神鳥居(あるいはその発展型)のタイプだ、
ということを覚えていただければ今後の神社ライフの楽しみが拡がっていきます。
それでは最後までお読みいただきありがとうございました。
みなさまの開運を心より祈念いたします。