実は、門松は神さまとの関係でも大切なものなんだ。
お正月にはしめ飾りなどとあわせて門松を飾ると新年を迎える気持ちがグッと高まってくるかと思います。
きつね宅でもごく小さいものではありますが、毎年門扉の前に門松を飾るようにしていて、新しい年を迎える気持ちを整えるようにしていますよ。
そこで、この記事では門松の意味や飾る期間などについて解説していきますよ。
門松の意味・由来
門松って年末からお正月にかけて飾りますよね?
ということは、当たり前ですがお正月と関係があるわけで。
で、実は、お正月は年神さまを我が家に迎える行事です。
年神さまというのは、ご先祖さまの霊(祖霊)のことです。
普段は地域を望むことができる近くの山などから私たちのことを見守ってくれてるんですね。
そして、正月やお盆の時期には、私たちと交流するために山から降りて来られます。
お正月にやってこられた年神さまは、新年の新しい命と幸せをもたらしてくれる存在です。
そんな年神さまが山から降りてこられて、我が家に入ってこようとされるとき、何かしら目印がないと入るにも入られない…
それでは年神さまも私たちも困ってしまいます。
そこで、年神さまを家の中に迎え入れるための目印として門前に門松を置くようになりました。
それが門松の意味・由来となります。
ここはいろんな考え方があって、門松自身に年神さまがよりつくという考え方もあります。
神さまが寄りつくもののことを依代(よりしろ)と呼びますので、この場合、門松は年神さまの依代ということになります。
門松というのは、中国の正月に松の枝を門に飾る風習が日本に渡ってきたとも言われています。
ただ、詳細は不明です。
日本では平安末期には門松を飾る風習が京都であったようです。
今のように年末の大掃除からの一連の流れ、門松やしめ縄をお正月に飾ってというのが定着したのは江戸時代以降のようです。
門松は神道的な考え方というよりも、基本的には習俗的なものだと思います。
もともとの祖霊信仰をベースに、江戸時代以降に全国的に普及したものではないでしょうか。
そういう由来もあって、私は、門松は神さまの依代というよりも、お盆飾りと同じで、ご先祖さまに、私たちはここだよ、と知らせる風習の考え方があるのだろうと思います。
日本の場合、祖先がそのまま神さまになるので、ご先祖さまも神さまも同じ用に考えていただいて結構です。
文中にもあったように、古代の日本では死んだ祖先は山に還り、その土地にとどまり、子孫を見守り続けると考えられてきました。
そして、お正月やお盆に、子孫と交流するために山から降りてこられると考えられていたのです。
(地域によってはこれが海というところもあります。)
そのため、家の門に御霊さまが迷わないように飾りをする、というわけですね。
門松の材料
門松には正式のものと略式のものがありますが、いずれも”門松”ではあります。
門松というからには、松は欠かせません。
というのも、松は一年中、葉を落とさず生命力が強いので縁起が良いと考えられているからです。
さて、正式な門松ですが、こちらの画像のように、
- 松
- 葉つきの竹
- 梅など
- 松の割り薪(画像からはわかりませんが)
- 荒縄
が材料です。
松を中心にすえ、3本または5本、7本の葉つきの竹を添えます。
松の割り薪を荒縄で3か所を3巻き、5巻き、7巻きと筋目を見せて七五三に結んだ形が正式です。
こうしてできた門松を道路から見て門の左側に雄松(おまつ)、右側に雌松(めまつ)と左右一対で飾ります。
ちなみに、竹の上端を斜めに切りますが、関西地方では切らないのが正式といわれています。
また、地域によっては松ではなく、楢、柳、栗、樫、榊、竹などが飾られるようです。
続いて、略式の門松がこちら。
これらは根曳松(ねびきまつ)といわれています。
京都でよく飾られているようなのですが、すみません、きつねが住んでる周りでは見たことがないです(汗
画像のように、若松に半紙を巻いて、紅白の水引を結びます。
「根がつきますように」という願いが込められているそうです。
なお、雄松と雌松の区別については、雄松がクロマツと呼ばれ、雌松がアカマツと呼ばれていますので色で見分けることができます。
また、雄松は葉がチクチクしますし、芽は小さなトウモロコシ(ヤングコーン)のようですが、雌松は葉はチクチクせず、芽は丸い形をしています。
画像の右側が雄松、左側が雌松
中国で松を使っていたのは、おそらく松が神聖なもので長寿を表す縁起の良い植物だと考えられていたものと推測されます。
竹もそのように考えられていたのではないでしょうか。
日本では、松や榊など、常緑樹であり、一年中青々としている木を神聖なものとしてきました。
生命力があふれているというふうに考えられたのでしょう。
枯れるのは縁起が悪いという考えにも繋がります。
現在、雌雄一対で飾られているのは、おそらく家の門に飾りをするという観点からだと思われます。
ですので、別に一対であることにこだわる必要はありません。
また、松がメインなので、根曳松など松だけを飾っても問題ありません。
門松を飾る期間
門松を飾り始めるタイミングですが、昔は12月13日に松を伐りに行っていたそうで、その後28日頃までに飾っていたようです。
今では、正月飾りの一般的なルールと同じく、12月26日〜28日の間に飾ると良いです。
あまりよくないとされている日が、
- 29日=二重苦(にじゅうく)、苦(9)を待つ(松)
- 31日=一夜飾り(年神さまをお迎えする直前の飾り付けは失礼という考えから)
です。
神主さんも、
とおっしゃられています。
その後、1月7日の七草まで飾ります。
【門松を飾る期間】
12月28日〜1月7日
門松の処分方法
門松を7日まで飾ると、処分することになります。
近くの神社で1月15日の左義長やどんど焼きが行われていればそこでお焚き上げしてもらえます。
もし、そうした神社がなかったり、家庭からの持ち込み物は受け取らないという神社であれば、地域の分別に従ってゴミとして処分可能です。
この場合、神さまの依代としての役割を果たした神聖なものなので、そのままゴミとして廃棄するのは忍びないという考えを持つ方もいらっしゃるかと思います。
そんなときは、塩で清めてからゴミとして処分するのがおすすめです。
塩のお清めのパワーはすごいですから。
最近ではお焚き上げの煙がご近所とのトラブルになったりしてるようで、お焚き上げをしない神社も増えているようです。
事前に神社に確認するとよいですよ。
まとめ
正式なものとなるとかなり値段もするし、手の届く範囲で考えようかな。
無理のない範囲で、簡略な形でも、お迎えしようという気持ちにすごく意味があると思うよ。
それでは最後までお読みいただきありがとうございました。
みなさまの開運を心より祈念いたします。
はじめまして。
兵庫県に住む者です。
門松についてお聞きしたいことがあります。
毎年、簡易門松に半紙を巻いてを門の左右にお飾りしています。両方とも黒松だと思います。
数年前に、「松には雌雄があるのを知っている?」と隣人に聞かれました。燐家では根引松を飾っています。
今年のお正月には、「このお飾りは勝手口用」と言われましたので松の内が終わる前に外して保管しています。
色々調べたところ、簡易門松も門に飾ること、松は神様をお迎えするところと確認しましたが、地域の風習に倣うとすると、このお飾りはやめた方がいいでしょうか。
以前は関東に住んでいました。
ひなさま
コメントありがとうございます。
そもそもですが、門松の飾り方に厳密な決まりがあるわけではありません。
一対でなくても良いとすら考えられています。
(イメージ的には雄雌の一対ですが、それもなにか決まりがあるわけではないです。)
ましてや簡易門松を門に飾ることもまったく問題ないです。
なのでご近所様のおっしゃることを気にする必要はありませんよ。
ただ、いちばん大事なことは、ひなさま自身がスッキリした気持ちで神さまをお迎えすることです。
なので、どうしてもご近所様のおっしゃることが気になるなら、その地域なり、ご近所の様子に倣って門松を飾るのありです。
ひなさまなりのお迎えの仕方でまったく問題ないということを踏まえてご検討いただければ!
ご回答ありがとうございました。
もやもやしていた気持ちが治まりました。
今年の年末は少し考えて松飾りをしようと思います。
ひなさま
もやもやが治まってよかったです。
神さまごとでもやもやしちゃうのはもったいないですもんね。
もやもやを少しでも軽くしていただくための神さまですから。
お困りごとがあればいつでもどうぞ。
ひなさまのますますの弥栄を祈念いたします。