神話の神々

玉依姫(タマヨリヒメ)は初代天皇の母?その伝説は?祭祀神社やご利益もくわしく紹介

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牛太郎
牛太郎
新しい天皇が即位されたじゃない。
でさ、牛太郎なりにず〜っと遡って天皇のことを調べてみたわけよ。
でも、初代天皇にまで遡ったところで、その母君のことがよくわからないのよね。
きつね
きつね
タマヨリヒメのことだね。
牛太郎
牛太郎
そう、そう。
そのタマヨリヒメにまつわる神話なんかを教えてもらいたいわけ。
だってさ、どうも神話の世界ではタマヨリヒメって名前で何人も登場するみたいでさ。
何がどうなってるのかわかんなくなっちゃうわけよ。
きつね
きつね
たしかにね。
同じ「タマヨリヒメ」で複数の人が登場してるね。
少しわかりにくいかも。
んじゃ、神話と合わせてくわしく説明していきますか。

令和時代の新天皇が即位されるにあたり、天皇の始まりについて興味を持たれた人も多くいらっしゃるかと思います。

そんなときに必ず行き着く、あるいは避けて通れないのが玉依姫(タマヨリヒメ)の神話。

なにせ、初代天皇(=神武天皇)の母神とされる方ですから。

ただ、神話の世界では、「タマヨリヒメ」は複数登場するので、単に「タマヨリヒメ」というだけでは、必ずしも神武天皇の母神を指すわけではありません。

そこがちょっとした混乱の原因になるわけです。

そこで、この記事ではそんな事情にも触れつつ、タマヨリヒメについてくわしく解説していきたいと思います。

こちらの記事では以下の書籍を参考にしています。

・『日本の神様読み解き事典』(川口謙二)<柏書房>
・『古事記完全講義』(竹田恒泰)<学研>
・『日本の神社』(井上順孝)<東京美術>
・『一生に一度は行きたい日本の神社100選』(島田裕巳)<宝島社>
・『神社のおへそ』(神社本庁)<扶桑社>
・『日本の神様事典』(CR&LF研究所)<毎日コミュニケーションズ>

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海神の娘タマヨリヒメの神話

みなさんもよくご存知の山幸彦(やまさちひこ)と海幸彦(うみさちひこ)の神話。

お兄さん(海幸彦)から借りた釣り道具のうち、釣り針をなくしちゃった弟(山幸彦)が、誠意を尽くして謝ってるのに、お兄さんから無理難題を押しつけられるってやつですね。

実は、タマヨリヒメの神話はこの海幸彦・山幸彦の神話と関連があるんです。

山幸彦の奥さんはタマヨリヒメのお姉さん

お兄さんの海幸彦から難題を押し付けられた山幸彦は、失くした釣り針を探しに海の底に潜っていきます。

そして、山幸彦は海の底の世界で海神・綿津見神(ワタツミノカミ)の娘トヨタマヒメ(豊玉姫)と結ばれます。

きつね
きつね
あ、ここ「タマヨリヒメ」ではなく、お姉さんの「トヨタマヒメ」なので注意ね。

ややこしや〜。

その後、山幸彦は地上へと戻るのですが、後からトヨタマヒメも地上まで追いかけてきます。

「あなたの赤ちゃんを身ごもったから、陸で産みたいの」

と。

そして、海辺の渚に、鵜(水鳥)の羽で屋根を葺いた産屋を造ることになります。

ところが、まだ屋根の葺きあがらない(できあがらない)うちに産気づき、

「あなた、絶対にわたしが産んでる様子を見ないでね!」

と山幸彦に伝えて産屋で御子を産むことになります。

でも、見ちゃダメよと言われれば見たくなるのが人情(神情?)というもの。

お約束ですね。

きっと、お産で苦しむ呻き声も気になったんでしょう。

山幸彦はトヨタマヒメが出産しているところを覗き見してしまいます。

そしたら、なんと!

海の国からやってきたトヨタマヒメは大きな鮫(さめ)の姿になってのたうち回ってたんです。

びっくりした山幸彦はその場から逃げてしまいます。

牛太郎
牛太郎
海の底にまで潜って出会ったんだから、今さらびっくりしなくてもいいでしょうに。
きつね
きつね
まあまあ…。
びっくりして逃げ出さないと日本の歴史がつながらないんだから。

自分の本当の姿を見られてしまったトヨタマヒメは、無事に御子を出産したものの、

「わたしの本当の姿をご覧になるなんて…。もう陸にはいられません。」

ともと来た海の国に帰ってしまいます。

このとき出産した御子は、鵜の屋根が葺きあがらないうちに生まれたことから、鵜葺草葺不合尊(ウガヤフキアエズノミコト)と呼ばれます。

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乳母として育てた甥っ子と結婚したタマヨリヒメ

トヨタマヒメは海の国に帰るものの、愛する夫である山幸彦と産んだばかりの御子を置いていくのはやっぱり後ろ髪引かれます。

そこで登場するのが玉依姫(タマヨリヒメ)です。

姉のトヨタマヒメは、妹のタマヨリヒメを御子の養育のために海から寄こしました。

いわゆる乳母(めのと)ですね。

ちなみに、タマヨリヒメが陸に登場するにあたっては、

  • トヨタマヒメに頼まれて、山幸彦を想って詠んだ歌を携えて養育しにきた
  • 出産に同行し、タマヨリヒメだけが養育のためにそのまま残った
  • トヨタマヒメがいったん御子を海に連れて行こうとしたが思い直して妹に託した

など諸説あります。

ウガヤフキアエズノミコトから見ると、タマヨリヒメはお母さん(トヨタマヒメ)の妹なので叔母さんです。

叔母さんであるタマヨリヒメに立派に育てられたウガヤフキアエズノミコトは、結局、この叔母さんと結婚することになります。

そうして4人の御子

  • 五瀬命(イツセノミコト)
  • 稲氷命(イナヒノミコト)
  • 御毛沼命(ミケヌノミコト)
  • 神倭伊波礼毘古命(カムヤマトイワレビコノミコト)

を産みますが、この最後のカムヤマトイワレビコノミコトこそが初代天皇である神武天皇となります。

甥っ子と結婚するなんてちょっと変な気もしますが、昔の人たちは14、5歳で結婚したとも言われてますから、今の感覚ほど年齢差はなかったかもしれません。

きつね
きつね
神話だし、ちょっと真面目に考えすぎか(汗)

いずれにしても、初代天皇である神武天皇の母として、神の代の時代と人の代の時代を結びつける重要な役割を果たしたわけですね。

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タマヨリ違いの姫(その1)|下鴨神社のご祭神

さて、このタマヨリヒメですが、実は、神話の世界にはあと2人別のタマヨリヒメが登場します。

そもそも「玉依姫(タマヨリヒメ)」というのは、タマ(=神霊)ヨル(依る)女性という意味で、神と結婚する巫女的な女性を意味する一般名称とも言われてます。

なので、やっぱり同じ名前の神様がほかに登場してきちゃうわけです。

で、その一人が下鴨神社に祀られているタマヨリヒメです。

神話では、ある日、タマヨリヒメが川で遊んでいると、川上から丹塗矢(にぬりや:赤く塗った矢のこと)が流れてきます。


※こちらは実際の下鴨神社の境内を流れる御手洗川

よほどきれいな矢だったのか、タマヨリヒメはその矢を家に持ち帰ります。

そしてその矢を床の近くに置いておくと、しばらくして妊娠して男児を産んだというお話です。


※下鴨神社では丹塗矢がお守りとして授与されています。

そうして産まれたのが賀茂別雷命(カモワケイカヅチノミコト)です。

こちらのカモワケイカヅチノミコトは上賀茂神社に祀られている神様です。

そして、下鴨神社には、カモワケイカヅチノミコトの母神であるタマヨリヒメが祀られています。

ちなみにタマヨリヒメの父神である賀茂建角身命(カモワケタケツヌミノミコト)も下鴨神社のご祭神です。

カモワケイカヅチノミコトからすると母方のおじいちゃんにあたりますね。

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タマヨリ違いの姫(その2)|三輪の大神の由来

もう一人のタマヨリヒメは、活玉依毘売(イクタマヨリヒメ)です。

奈良の三輪で、美女と噂のイクタマヨリヒメの元に毎夜夜這いしてくる男がいて、そのうちイクタマヨリヒメは妊娠します。

両親とすれば、

「なんで妊娠したの?そもそもその男は誰なんだ?」

ということになるんですが、イクタマヨリヒメはちょっと天然ちゃんだったんでしょうか、

「どこの誰だかはわからないんですが、とにかくいい男が夜這いしてくるんですよ。」

と答えます。

両親としては気が気でないので、ある夜、イクタマヨリヒメに夜這いしてきた例の男の裾に針で赤い麻糸を縫いつけさせます。

翌朝、その赤い麻糸をたどっていくと、大美輪神社まで行きつきます。

それで、夜這いしてきた男は大美輪神社に祀られている大物主神(オオモノヌシノカミ)だということがわかった、という話です。

そのとき、赤い麻糸が三巻だけ残ったので、三輪大神(ミワノオオカミ)(=大物主神のことですよ)という名が生まれたと言われています。

以上がタマヨリ違いのタマヨリヒメのお話でした。

タマヨリヒメの系譜

神話の説明の中で紹介したように、タマヨリヒメは海神の綿津見神(ワタツミノカミ)の娘で、神武天皇の母神となります。

系譜を図に示すと以下のとおりです。

なお、玉依姫(タマヨリヒメ)は、

  • 玉依毘売命(タマヨリヒメノミコト)
  • 玉依姫尊(タマヨリヒメノミコト)

などとも呼ばれます。

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タマヨリヒメが祀られている神社

神武天皇の母神であるタマヨリヒメが祀られている全国の神社を紹介します。

吉野水分神社 子守宮(よしのみくまりじんじゃ こもりのみや)

本殿の右殿に木造玉依姫命坐像が安置されています。
住所:奈良県吉野郡吉野町吉野山1612

筥崎宮(はこざきぐう)

現在もスポーツなどの勝運を呼ぶスポットですが、応神天皇らとともに玉依姫命が祀られています。
住所:福岡県福岡市東区筥崎1-22-1

宮崎神宮(みやざきじんぐう)

神武天皇の孫にあたる健磐龍命(タケイワタツノミコト)が祖父のご遺徳をたたえて鎮祭したのが始まり。
住所:宮崎県宮崎市神宮2-4-1

高千穂神社(たかちほじんじゃ)

天孫降臨の地として、いわゆる日向三代の神々と妻が祀られています。
住所:宮崎県西臼杵郡高千穂町三田井1037

宇美八幡宮(うみはちまんぐう)

応神天皇誕生の伝説が伝わる社ですが、安産、育児の守護に絡めて玉依姫命が主祭神の一柱として祀られています。
住所:福岡県糟屋郡宇美町4104

玉前神社(たまさきじんじゃ)

景行天皇の頃に創祀されたと言われている神社で、祭神は玉前神=玉依姫命とされています。
住所:千葉県長生郡一宮町一宮3048

知立神社(ちりゅうじんじゃ)

日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が戦勝を祈願し、平定後の帰途に感謝して建国祖神を祀ったのが創建とされています。
住所:愛知県知立市西町神田12

玉井宮東照宮(たまいぐうとうしょうぐう)

江戸時代まではタマヨリヒメの一柱のみが祀られていたようですが、江戸時代になり山幸彦、タマヨリヒメ、徳川家康が祀られるようになったといわれます。
住所:岡山県岡山市中区東山1-3−81

タマヨリ違いのタマヨリヒメをお祀りする神社

タマヨリ違いのタマヨリヒメが祀られた神社です。

賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)(下鴨神社)

東殿に祭神として祀られています
住所:京都府京都市左京区下鴨泉川町59

青海神社(あおみじんじゃ)

安産・子育ての神として玉依姫命が祀られており、一説によわると上杉謙信の母が月参りをしていたそうです
住所:新潟県加茂市加茂大字229番地

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タマヨリヒメのご利益

様々なご利益がありますが、姉の子を乳母として育てたり、後にその子と結婚し4人の御子をもうけたという神話から、子宝安産子育てのご利益があるとされます。

また海神であるワダツミの娘であることから、航海安全漁業守護などのご利益もあります。

【ご神徳】

  • 子宝
  • 安産
  • 子育て
  • 海上安全
  • 豊作豊漁
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