今回の記事では『ザ・シークレット』を神道的な観点から読み解いていきたいと思います。
本書は2006年に出版されてから全世界で2000万部以上の売上を記録するなど世界的な大ベストセラーです。
『ザ・シークレット』という書籍名は知らなくても、「引き寄せの法則」と聞けば、聞いたことある!という方は多いのではないでしょうか。
その「引き寄せの法則」を主題としたのが本書です。
きつねも本書が出版された当時、こうした自己啓発書にハマってましたから、必死で「引き寄せの法則」を実践して、現状変革や能力開発に励んだ記憶があります。
その際は、全くと言っていいほどうまくいかなかった、というより、むしろ現状はマイナスに落ち込んでいったわけですが…。その点は後ほど紹介します。
それでは本書について読み解いていきましょう。
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「引き寄せの法則」がうまくいかない理由
本書のポイントは、「引き寄せの法則」という言葉から連想できる内容と大きな違いはありません。
ポジティブなことでもネガティブなことでも、心に強く思い浮かべた思考に現実は引き寄せられる。
はい。これだけです。
300ページにわたっていろんな事が書いてますが、結局言いたいことはこれです。
どうして心に強く思い浮かべた思考が現実化するかというと、
- 一般に固体と考えられている物質であっても、極細に分解していくと、エネルギー、つまり波動によって構成されているのであり、世界はすべからく波動で構成されている
- 人間の思考も波動と考えられるから、その波動と同じ周波数をもつ状況が引き寄せられて現実化する
本書にある内容をきつね的に少し補足するとこういうことになります。
こうした考え方は、近年の量子物理学の観点から科学的に裏付けがあるとの説もありますが、正直、きつね的にはよくわかりません。
ただ、体感的に、こうした考え方は正しいんだろうと考えてますし、それで人生が良い方向へと進むなら、いったんは仮説として取り入れていいんじゃないかなと思います。
(きつねのTwitterアカウントの固定ツイでも紹介していますが、きつね自身、神さまが本当に存在しているのかどうかよくわからないんですよね。でも、人生が良くなるなら、存在するという前提で楽しんでみるのが一番じゃないのかなと考えています。)
ということで、「引き寄せの法則」そのものは肯定的に考えたいと思うのですが、基本的に、この法則を実践して人生を好転させるというのはむずかしいのではないかと考えています。
それは、先ほど本書のポイントとして紹介したように、「引き寄せの法則」というのは、”ポジティブなことでもネガティブなことでも”、心に強く思い浮かべた思考は現実化してしまうからです。
実際、本書でも、
残念なことに、否定形かどうかまで「引き寄せの法則」は判断できません。否定形の表現をしても、それを引き寄せてしまうのです。
と、この法則の特性が紹介されています。
そしてこの特性のために「引き寄せの法則」がうまく実践できないことが多々あるのです。
おそらく、あなたは、「ネガティブなことが実現されるとしても、ポジティブなことだけを思い浮かべるんだから問題ないんじゃないか」と反論されるだろうと思います。
そこがこの法則の落とし穴。
ここで、この法則の問題点を紹介するにあたって、人間の意識について考えてみましょう。
人間の意識には、顕在意識と潜在意識があると言われていますよね。
そこは前提として話を進めます。
人間に顕在意識と潜在意識とがあるとして、ここからは科学的に証明されたわけではないと思いますが、顕在意識でポジティブなことを思い浮かべれば浮かべるほど、潜在意識の世界では、それと同じレベルの逆方向の力、つまりネガティブな力が働いていると考えられます。
なので、例えば、「引き寄せの法則」を実践しようとして、顕在意識で「私はお金持ちになる、なる、なる!」とイメージすることは、逆に潜在意識では「私はお金持ちになることはない、ない、ない!」という意識を強固に刷り込んでいることになります。
もちろん、本書ではこうしたリスクへの対応として、「私はお金持ちになる、なる、なる!」とイメージするのではなく、「私はすでにお金持ちである」という状態をイメージし、その状態を体感することで、こうした反作用は押さえられると紹介しています。
でも、このテクニックを実践するのはちょっとむずかしい…
少なくともきつねは、こうした引き寄せの法則のリスクと対応テクニックは頭で理解していましたが、実践はできませんでした。
新しい習慣を身につけたり、ヤル気にあふれる自分を引き寄せようとしても、現実は、新しい習慣が身につくどころから、すっかりヤル気が出なくなることすらありました。
このテクニックをうまく使いこなせる人は、「引き寄せの法則」によって人生を思うままに生きることができるのだと思いますし、実際、今世間で成功していると思われている人にはそういう人も多いだろうと思います。
もちろん本書の著者もそうなんでしょう。
でも、そんな人はごく少数で、多くの人は「引き寄せの法則」を使いこなせなくて悩んでいる、あるいは、「引き寄せの法則」の実践なんて無理、とあきらめているのではないでしょうか。
ただ、仮に「引き寄せの法則」が存在するという前提に立つとするならば、このパワーを捨ててしまうのはもったいないです。
顕在意識と潜在意識の、この相反する関係をどうにかして克服したいですね。
神道の「祓い」によるネガティブ思考の克服
きつねが思うに、この相反性を克服する方法が神道の世界にはあります。
神道でいう祓いの概念であり実践法です。
神道では、人間が生まれた瞬間の魂(顕在意識、潜在意識を包含する人間の根源的なエネルギー)は輝きに満ちた光の存在であると考えます。
そして、神道ではこの魂のことを御霊(みたま)と呼びます。
ところが、この光り輝く御霊は、生まれた瞬間から汚(けが)れ(=穢れ)ていき、どんどん光を失っていきます。
- 親が発する言葉
- 親同士の関係性(夫婦喧嘩、DVなど)
- 友達からかけられる言葉(いじめなども含めて)
- 学校の先生からかけられる言葉
- 職場の同僚や上司からかけられる言葉
- 毎日流れるニュース(多くがネガティブなもの)
- 自分自身が自分に語りかける言葉
など、世の中はネガティブな要素にあふれているからです。
こうしたネガティブな要素は御霊にこびりついてどんどん光をくもらせていきます。
(こう考えると、顕在意識をポジティブにするだけで、こうした潜在意識にもポジティブな思考が拡がっていくと安易に考えることは、そもそもかなりむずかしいということが想像できますよね。)
こうした御霊の輝きをくもらせるホコリをきれいに払うのが神道の「祓い」です。
神道の祓いでは、御霊におけるポジティブなものもネガティブなものも全て払(祓)います。
イメージとしてはリセットするということ。
御霊をリセットすることで、御霊の持つ本来の輝きやエネルギーを取り戻すことができるという理解です。
神道の祓いといえば、厄払いでの御祈祷とかイメージしやすいかもしれません。
ただ、神社でわざわざ御祈祷してもらわなくても、「祓い」は日常生活の中に容易に取り入れることができます。
例えば、手水から始まる正しい神社参拝は祓いの実践です。
また、自宅に神棚をお祀りすることや、個人で簡単に唱えられる祝詞(のりと)の奏上も祓いの実践ですし、実は、家の中をきれいに掃除してホコリを払うことも立派な祓いとなります。
とくに、自宅に神棚をお祀りすると、家全体が神社化される、つまり日常生活がそのまま祓いの実践となるので、威力としては強力です。
こうした神道的な祓いの実践を日々続けていると、ポジティブでもネガティブでもなく、本来自分が持っているエネルギーが湧いてくるような感覚を覚えるようになります。
これが御霊本来の輝きです。
祓いからの「引き寄せの法則」の実践
実は、祓いによって本来自分が持っているエネルギーを取り戻してから「引き寄せの法則」を実践すると、この「引き寄せ」の効果はすごいです。
「引き寄せの法則」の本来の効果を引き出すことができます。
ただ、実際にやってみると、「引き寄せの法則」というのは、自分の内側から湧いてくるエネルギーを、「引き寄せの法則」というテクニックを参考にして、正しく使っていくということにすぎないということを実感すると思います。
「引き寄せの法則」ってなにか特別なものではなくて、エネルギーの使い方、フォーカスの仕方の問題なんだなと。
なので、祓いによって無意識の世界のエネルギーを回復するという手順を踏むことは、実際にやってみると回りくどいものに感じるかもしれません。
とはいえ、こうした手順を踏まないと「引き寄せの法則」を実践するのはなかなかむずかしいというのも現実です。
(もちろん、根っからポジティブで御霊のエネルギーの高い人なら祓いの手順を踏まなくてもすぐに「引き寄せの法則」を実践できるでしょう)
きつねの場合は、祓いによって無意識のエネルギー状態を回復してから、「引き寄せの法則」を使うようになって人生は劇的に変わりました。
- 夫婦関係
- 親子関係
- 健康面
- 収入面…
など、まぁ、些細なことも含めると身の回りに起こること全てが変わったといえます。
以上、きつねの経験を踏まえて、『ザ・シークレット』(引き寄せの法則)について神道的な解説を加えてみました。
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「引き寄せの法則」を知ってるけどなかなか人生が好転しない、という人には、ぜひ日本の神道的な「祓い」というものを生活の中に取り入れてみることをおすすめします。
そこから「引き寄せの法則」の本来のパワーを知ることができますよ。
きつねの考える「祓い」と自己啓発についての関係はこちらの記事でも詳しく解説しています。
それでは最後までお読みいただきありがとうございました。
みなさまの開運を心より祈念いたします。