いや、神社にお参りしたときに摂社とか末社があると、そこにもお参りしないといけないのかな、なんてすごく気になるんだよね…
お参りするにしてもどうしていいのかもよくわからないし…
たいがいの神社でみかける本殿以外の小さなお社
これは摂社とか末社とか呼ばれるものです。
お参りした神社に摂社や末社があると、どこまでお参りしていいのか迷ってしまったりしますよね。
しかも全部のお社にお賽銭あげなきゃいけないの?とか(汗
そこでこの記事では、
- 摂社・末社の意味
- お参りやお賽銭の考え方
について紹介していきたいと思います。
摂社・末社とは
摂社・末社というのは、本殿の御祭神と縁の深い関係にある神さまや地主神などを祀った境内の神社のことをいいます。
今は摂社・末社をひとくくりにしてこのような定義で整理されますが、実は、戦前までは摂社と末社はしっかりと区別されていました。
戦前は、神社ごとに格付けされて管理される「社格制度」がありましたから、制度的にはっきり区別されていたわけです。
具体的には、
- 摂社:本社の御祭神の姫神(后、妃、娘)、御子神(子供)、その他本社にゆかりのある神、本社の御祭神の荒魂(積極的、活動的な神霊)、その土地に古くから鎮座する地主神を祀るもの、御祭神が現在の地に祀られる前の旧跡にある神社
- 末社:それ以外の神を祀るもの
参考:『神道いろは』
となります。
ちなみに、摂社が末社より上位の位置づけです。
それが、戦後はそうした制度もなくなったことに伴い、摂社・末社の区別が明確にされることもなくなりました。
このブログを監修いただいている神主さんは、
神社本庁も認めているように、もう明確な規定はありませんからね。
今では、本殿とその他の小さな社という意味で両方とも使われていると思います。
以下はあくまで私の考えですが参考までに。
明治以降、国が神社を管理するにあたり、神社の数を相当減らしてきたという経過があります。
ただ神社を簡単に取り潰すというわけにはいかなかったため、大きな神社に移転させて末社という形で残したんだと思います。
なので、もともとあった本殿と縁の深い摂社を末社よりも上というふうに位置づけたのだと考えます。
ただもう時代が進んでなじんでしまったので、摂社と末社を区別する意味を成さなくなったのではないでしょうか。
とおっしゃっています。
伊勢の神宮
神宮では少し一般の神社とは整理の仕方が違うので注意が必要です。
神宮では、特に本社と関係の深く、内宮、外宮に次ぐ尊い社のことを別宮と呼びます。
例えば、内宮では、荒祭宮(あらまつりのみや)と風日祈宮(かざひのみのみや)です。
(荒祭宮)
(風日祈宮)
そして、
- 摂社:『延喜式神名帳』に載る式内社
- 末社:『延暦儀式帳』(えんりゃくぎしきちょう)に載る社
- 所管社:両書に記されていないものの神宮との密接な関係により古くから祀られたきた社
となります。
伊勢の神宮と呼ばれているのは、両正宮のほか、別宮・摂社・末社・所管社を含めた125の社を総称したもののことになります。
北野天満宮
きつねが参拝した神社の中で、多くの摂末社があって印象に残っているのは北野天満宮ですね。
こちら、北野天満宮の摂末社一覧にもあるように、50社ほどの摂末社が存在しています。
北野天満宮の摂末社を含めた参拝の様子については、こちらの記事でくわしく紹介していますが、こちらの記事にあるように、摂末社の中には由緒書が用意されているものもあって、そこにはぞれぞれ摂社・末社の区別が書かれていたりします。
【伴氏社】
末社
伴氏社は菅原道真公の母君を祀る社なので、本社御祭神に縁の深い神さまとして摂社になると思いきや、なぜか末社となっています。
【白大夫社】
摂社
【福部社】
摂社
【文子天満宮】
末社
こちらの社は明治になってから当地に遷座されたとあるので末社の扱いなのかもしれません。
お参りやお賽銭
摂社・末社がズラッと並んでいるのを見ると、そこにお参りしないことがなんとなく気にかかる…
そんな思いに囚われた経験をお持ちの方は多いかと思います。
ただ、この点はご安心ください。
摂社・末社へのお参りは必ずしも必要なものではありません。
あくまでも、
- 摂社・末社の御祭神にご縁を感じた場合
- 摂社・末社の御祭神とご縁を深めたいと願う場合
に、そう感じた、そう願う摂社・末社にお参りすればよいです。
当然ながら、摂社・末社の全部にお参りする必要はないですし、ご縁を感じたり、深めたいと願うわけでなければ、1つもお参りしないことだってありえます。
参拝のお話ですが、先ほど申しあげたように、過去の神社の統廃合の歴史から境内にある小さな社も多いと思いますので別に全部お参りしなくても結構です。
自分が参拝したいなと思う所にお参りをしていただくことが一番ですよ。
お参りの方法
摂末社へのお参りの仕方も、基本的には本社へのお参りの仕方と変わりません。
具体的には、
賽銭箱の前に立ったら小さく一礼
↓
お賽銭を入れる
↓
鈴や鐘があればそっと鳴らす
↓
二拝(二礼)
直立の姿勢から背を平らにして 9 0度に腰を折り 、頭を下げる
これを2回繰り返す
↓
二拍手
両手を胸の高さに合わせ 、右手を少し引いて 2回手を打つ
↓
お祈り
右手を戻し、胸の高さで両手をきちんと合わせて祈る
↓
一拝(一礼)
手を下ろし 、最初と同じように頭を下げる
↓
最後に小さく一礼して下がる
といった流れになります。
なので、お賽銭についても、本社ですでにお賽銭をされていても、摂社・摂社で再度お賽銭されることをおすすめします。
ただ同じ境内という考えもあるので、本殿にお賽銭を収めているのであればそのまま簡単にパッとお参りだけして帰っていただくという形でも問題ありません。
(もちろん、お賽銭は神さま的にも任意のことなので、お賽銭をしなかったせいで不幸になる、とかそういうことはありません。)
まとめ
本社の御祭神と縁が深かったり地主神を祀ってる場所か。
それ聞いて安心した(笑
んじゃ、これからはご縁を感じた神さまの社にお参りするようにしようっと。
もちろん、お賽銭もちゃんとするね!
それでは最後までお読みいただきありがとうございました。
みなさまの開運を心より祈念いたします。
縁を感じて摂末社に参拝する時、先に本社拝殿を参拝してから摂末社を参拝するとかの順番はあるの?
8様
コメントありがとうございます。
基本的に摂末社は、主祭神とご縁の深い神様がお祀りされていることが多いので、まずは本社拝殿を参拝してからの参拝となります。
ですが、中には、その土地の地主神のように、主祭神とは縁のない神様もお祀りされていることもありますから、その場合は、本社拝殿への参拝をせずにお参りしても問題はないと思いますよ。
8様の弥栄を祈念いたします。