そもそもなんで神棚に鏡を飾るのか、そこから確認していこうか。
神棚に飾る鏡のことを神鏡(しんきょう)といいますが、
たしかに、最近では住宅事情を反映してか、
神棚もコンパクトになってきて、
神鏡のない神棚もたくさん販売されています。
そうすると、逆に、
「神棚に鏡がなくても大丈夫なの?」
なんて不安になることも出てくるんですよね。
そこで、この記事では、
- 神鏡の意味
- 神棚には神鏡を飾るべきか
- 神鏡の処分方法
についてお伝えしていきしていきたいと思います。
神鏡の意味
神鏡とひと口に言っても、大きく2つの種類があります。
それが、
- 御神体(ごしんたい)としての神鏡
- 飾りとしての神鏡
となります。
それぞれ説明していきましょう。
御神体としての神鏡
そもそも、なぜ神道の世界で鏡が重要視されるのでしょうか。
遡ること神話の世界に出てくる天の岩戸開きの話。
岩戸に閉じこもった天照大神が、
岩戸の隙間からちらっと姿を見せたとき、
岩戸の前に置かれた鏡に映った自分の姿を見て、
「あら、このきれいな人は誰?」
みたいな感じで、鏡の中の自分に魅せられ、
ついつい岩戸から出てこようとしたというエピソードがあります。
このエピソードからわかるように、
そもそも鏡は尊いものという考えがありました。
だって、あの天照大神が引き寄せられてしまうパワーがあるくらいですから。
で、さらにここからも大事なお話し。
その後、瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)という神様が
神々の世界である高天原(たかまがはら)から地上界に降りられるとき
天照大神から、
「この鏡をわたしの御霊(みたま)として大切に祀りなさい」
と鏡を賜ります。
この鏡を私(=天照大神)と思って大切にしなさい、ということですね。
そして、このときに賜った鏡が、かの有名な三種の神器の1つと言われるもの。
(令和への御代替わりにあたって、にわかに話題となりましたよね)
神様からの命令のことを神勅(しんちょく)といいますが、
瓊瓊杵尊が天照大神から賜った神勅のことを
宝鏡奉斎(ほうきょうほうさい)の神勅
といいます。
こうして、鏡には神様が宿るもの(御霊代=みたましろ)と考えられ、
たくさんの神社でお祀りされるようになります。
これがお祀りされる対象(=御神体)としての神鏡です。
飾りとしての神鏡
家庭の神棚に置かれる神鏡は、御神体としではなく、
ある種、荘厳な雰囲気を保つための飾りとしての神鏡となります。
鏡を通して自分を見つめ、襟を正す
というような意味合いで説明されることもあります。
神鏡の配置は、こちらのように、宮形の御扉の前に置かれることが多いです。
↓↓↓

なお、家庭の神棚に御神体としての神鏡をお祀りするケースもあるようですが、
神主さんによると、
家庭ではお札があれば十分です。
むしろ変な輩が取り憑く可能性すらあるのでやめた方がいいですね。
とのことでした。
家庭の神棚にはあくまで飾りとしての神鏡を配置するのが良いみたいです。
神棚に神鏡は飾る必要があるか
神棚の神鏡は、まさに飾りとしてのものです。
なので、あってもなくても、どちらでも構いません。
神主さんからも、
と、いただいています。
ちなみに、全国の神社を総括する神社本庁の公式HPでも、こちらのように、神鏡を置かないお祀りの画像が紹介されています。
↓↓↓

神鏡の交換時期と処分方法
神鏡は、お神札を毎年交換するのとは異なり、
特に定期的に交換するというものではないです。
基本的には、神棚自体を交換するタイミングで、神鏡も交換すれば良いでしょう。
よほどとれないような汚れが付いたような場合は、神鏡だけを交換するのもありですが。
このとき、古い神鏡をどう処分するかですが、
もし神社で対応できないという場合には、塩で祓って半紙などで包んで護美(ごみ)として処分してください。
(この際は、各自治体の分別方法にならってくださいね。)
ということになります。
まとめ
でも、なんか雰囲気出したいしね。
飾ることにするわ!
でも一番大事なのは神様を敬う気持ちだからね。
形ばっかりにとらわれると本末転倒になっちゃうよ。
まとめると、
- 神鏡には、御神体としての神鏡と飾りとしての神鏡がある
- 御神体の神鏡の始まりは天照大神から託されたもの(=宝鏡奉斎の神勅)
- 神棚には飾りとしての神鏡をできる範囲で飾れば良い
- 神鏡の交換時期は神棚の交換と同じタイミングで
となります。
それでは最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。
みなさんの開運を心より祈念いたします。