神棚にしめ縄を張ったものの、これってずっと同じしめ縄のままでいいの?
なんて気になりますよね。
お神札は1年に1回交換するって聞いてるし、それならしめ縄も…
と悩んでしまうのではないでしょうか。
そこで、この記事では、
- 神棚のしめ縄の交換時期
- 交換後の処分方法
について解説していきます。
あくまでここで解説するのは、神棚に常時張るしめ縄についてだからね。
こちらの記事は以下の書籍などを参考に作成しています。
- 神社検定公式テキスト①『神社のいろは』<扶桑社>
- 『神道いろは−神社と祭りの基礎知識』<神社新報社>
また、現役の神主さんにも監修してもらっています。
神棚のしめ縄の交換時期
このブログでは、情報源を信頼できるものとするために、必ず全国の神社を総括している神社本庁の見解を確認することにしています。
で、今回、神棚のしめ縄の交換時期について神社本庁の関連書籍やHPなどで確認してみたのですが、残念ながらピンポイントで記載されているものは見当たらなかったんですよね。
ただ、神棚の基本的な理解を前提にすれば、おのずと答えは出てくるので、神社本庁が示している神棚についての基本を踏まえて以下説明していきます。
まずは神棚をお祀りするときの基本として、
- 年末には神棚も掃除する
- お神札を新しいものと交換する
の2点があげられます。
なお、この記事を読み進める前に、神棚のしめ縄の必要性についてもチェックお願いします!
年末には神棚も掃除する
12月13日はすす払いと呼ばれる神社やお寺の大掃除が行われています。
結構みんなテレビで見たことがあると思うんですが、実は、このすす払いが家庭の大掃除の原型でもあって、神棚をお祀りしている家庭では、この日に神棚の大掃除をすることになっています。
新しい年を迎える準備を13日に行うこととされているんですね。
お神札を新しいものと交換する
そして、神棚の大掃除とともに、お神札も新しいものと交換します。
お神札は1年に1度交換することになっているわけですが、これは、1年に1回という定期に新しいものと交換することで、より新しく若々しい神様の力をいただこうという古くからの習わしです。
神棚の大掃除とお神札の交換からわかること
以上が神社本庁で示されている神棚のお祀りにまつわる基本となる考えです。
この基本の考えからわかることは、神棚という神聖な空間(神域)を1年間守ってくれたしめ縄を新しいものと交換して、新しい力で、改めて新年からも神域をお守りいただくようにするのが望ましいということです。
ということで、神棚のしめ縄は、年末に神棚を掃除してお神札を交換するタイミングでしめ縄も交換すべきというのが神社本庁の考え方と推察されることになります。
この点、神主さんから詳しく教えてもらいました。
ちなみに、私の務めている神社では規模と時間の関係上煤払いと注連縄の交換は同日にはできません。
ですので、煤払いの翌日あたりに交換しています。
また、交換の理由に関してですが、現在の神社神道の思想の中に「常若」(とこわか)というものがあります。
常に若々しく生命力が漲っている状態が望ましいという考えです。
伊勢の式年遷宮や全国各社で行われている式年造替などもこの思想に基づくものです。
注連縄に霊力が宿るということではありませんが、神様に関わるものですので、注連縄も色褪せてしまった物よりも常に若々しい注連縄を用いるのが良いということになります。
とのことです。
交換するのを避けたい日
新年のお正月飾りに関しては、
- 29日の飾りは「二重苦」を連想させてよくない
- 旧暦の大晦日の30日、新年前日の31日の準備は駆け込みになってよくない(俗に「一夜飾り」と呼ばれるもの)
と言われています。
あくまで正月飾りについてのものですが、新年を迎える準備という点では、神棚の大掃除、お神札の交換、しめ縄の交換も同じです。
もちろん、新年の準備は余裕をもってするように、という教訓めいたところからの言い伝えなので、この期間に交換したことが、神様に失礼とかバチが当たるとかのものではありません。
神社本庁のHPでも、
諸説ありますが、いずれにしろ余裕をもって準備したいものです。
とのみ言及されていますし。
実際、年末の28日、29日までのお仕事なんて普通ですので、できる範囲で新年を迎える準備をすれば良いと思います。
神主さんも、
とのことでした。
喪中の場合
そのほかにもしめ縄を交換することを避けたい日があります。
いわゆる忌中(きちゅう)と呼ばれる期間です。
忌とは、故人のお祀りに専念することをいいますので、忌中とはその期間のことです。
なので、忌中には、神社への参拝や神棚での祀りを遠慮します。
一般的にこの忌中は50日間とされていますので、年末がちょうどこの期間にあたる場合には、忌明けのときに神棚を掃除し、お神札やしめ縄を交換することになります。
ちなみに、服と呼ばれる期間もあります。
服の期間においては、精神的に故人を偲ぶことになります。
例えば、父母が亡くなった場合は、13ヶ月間が服の期間となります。
神社参拝や家庭祭祀は服の期間であっても忌が明けていれば可能です。
たまに、1年間は神社参拝や家庭祭祀ができないと勘違いされている方がいらっしゃいますので注意してくださいね。
交換したしめ縄の処分方法
では、交換した後のしめ縄はどのように処分すればよいのでしょうか。
これまでの説明でほぼ答えはおわかりかもしれませんね。
先ほど紹介したように、しめ縄の交換のタイミングは、神棚の大掃除やお神札の交換のタイミングです。
ということは、しめ縄の処分もお神札の処分にならえばいいということになります。
この点、神社本庁のHPでは、古いお札やお正月飾りの処分方法について、
地域の分別にしたがって、自治体の回収に出せます
とされています。
ただ、神棚にお祭りしたものなので、慎重に取り扱うべきだということで、
例えば、お塩を振り清めてから紙などにくるんで出します。大きなものは、小さく切るか折るなどして出しましょう。
とされています。
一方で、新年のどんど焼き(左義長)を行う神社で受け入れてもらえる場合もあるので、事前に電話で受け入れ可能かを確認しておくように、とされています。
これってちょっと意外な気がしませんか?
というのも、一般的な感覚としては、古いお神札などは一般ゴミとして処分するのではなく、地域の神社のどんど焼きで焼却してもらうというものだと思います。
きつね自身も、古いお守りなどは授かった神社にお返しに行きますので。
もしかすると、神社本庁の公式HPで、古いお札や正月飾りはお近くの神社へ!と呼びかけてしまうと、最近のご時世では近隣住民との間で煙の問題など、トラブルにつながる事態が生まれる可能性があるので、あえてどんど焼きを積極的に勧めてはいないのかもしれません。
この点、神主さんにどうすればいいのか、ぶっちゃけたところを聞かせてもらいました。
そのような場合は神社にてお祓いをした後に業者に処分を依頼するという形を取ります。
そもそもお焚き上げをしていない、または自社の物のみお受けする、お札や御守りのみお受けして注連縄などはご自宅にて処理をお願いするというお宮も多いです。
(神社)本庁としても、近隣住民との関係もあってあまり積極的に呼びかけていないものだと推測されます。
何れにしても、まずは近くの神社に相談してください。
もし神社での対応やできないということであったり、喪中などの関係で自宅で対応する場合には、塩で祓って半紙などで包んで護美(ごみ)として処分されるとよいですよ。
とのことでした。
なお、神社でお納めする場合には、お焚き上げ料として、しめ縄の代金相当をお賽銭するようにしましょう。
まとめ
でもよくわかったので、今年はお神札の交換のタイミングでしめ縄も交換することにするよ。
やっぱり気分も大事だからね。
まとめると、
しめ縄は、神棚の大掃除やお神札の交換のタイミングで交換するのがよい。
ただし、神社本庁として明記されたものはないので、あくまで無理のない範囲でかまわない。
交換のタイミングで避けたいと言われる年末の29日〜31日の期間は迷信に過ぎないので、どうしても気になる場合は別として、十河の良いタイミングで交換すればいい。
また、忌中の50日間は神棚の参拝を含めてお祀りは控えるため、しめ縄の交換も忌明け以降にする。
交換したしめ縄の処分は、意外にも自宅での処分が神社本庁の正式見解。
この場合、塩でお祓いをして半紙で包むなどして護美として処分すれば大丈夫!
ただ、神主さんによると、近くの神社で受け入れ可能かは聞いてみてよいとのことでした。
しめ縄を交換することで、気持ちも新たに、新年の運を切り開いてくださいね。
それでは最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。
みなさんの開運を心より祈念いたします。