各種神事

大祓の神事について解説します|茅の輪くぐりや形代についてもあわせて

牛太郎
牛太郎
6月の末に神社に行ったら、なんかワラを編んだような大きな輪が置いてあったりするけどあれってなんだろ?
きつね
きつね
茅の輪(ちのわ)のことだね。

あれはワラじゃなくて茅(かや)を編んだものだよ。

6月の末に行われる大祓っていう神事にあわせて設けられるんだよね。

大祓の神事は12月にも行われるよ。

6月に神社を参拝すると、ワラで編んだような大きな輪っかをくぐり抜ける参拝者の様子を見たことがあるかと思います。

茅の輪くぐりといわれる大祓の行事の1つです。

その茅の輪くぐりにはどんな意味があるのか、一緒に行われることの多い形代(かたしろ)の行事などとあわせて大祓について解説していきます。

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大祓(おおはらえ)とは

6月晦日と12月大晦日に、全国の神社では大祓(おおはらえ)という神事が行われます。

晦日:毎月の最終日のこと。

それぞれ、

夏越の祓:半年間の罪穢れを祓い、向こう半年間の無事息災を祈願する神事
年越しの大祓:1年間の罪穢れを祓い来年の無事息災を祈願する神事

となります。

そのルーツはイザナギノミコトが赴いた黄泉の国で被った穢れを川の水で洗い流した禊祓(みそぎはらえ)にあって、古くは天皇以下、文武百官が参列して御所の朱雀門で行われた重要な神事です。

神事としては6月・12月ともに同じです。

茅の輪くぐり(ちのわくぐり)

大祓といえば茅の輪くぐりが有名です。

6月の初旬から末まで多くの神社で茅の輪が設置されます。

きつね
きつね
きつね宅の近くの神社では年末にも設置されるよ。

茅(かや)はチガヤともいい、屋根を葺くのに用いられるイネ科の植物です。

香りが強く成長の早い植物で、その生命力の強さから、穢れを祓う力があるといわれてきました。

葉先が尖っていて矛に似ていることから、茅は悪霊を取り除くとも考えられました。

(大祓の時期に京都の北野天満宮で授与される茅)

このような茅の輪をくぐることで茅のエネルギーによって半年間の罪穢れを祓ってもらおうという行事が茅の輪くぐりです。

さらに、「茅の輪を腰につけていれば疫病にかからない」という蘇民将来の伝説にも因むことから行われる行事でもあります。

こちらの画像は3月に京都の八坂神社を訪れた際のもので、新型コロナ退散を願って茅の輪が設置されていました。

そこにあった茅の輪の説明書き。

なお、蘇民将来の伝説についてはこちらでくわしく紹介しています。

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<茅の輪くぐりの正式作法>

  • 茅の輪の正面に立って軽くおじぎ
  • 左足からまたいで輪をくぐり、左回りにまわってもとの位置に
  • 茅の輪の正面に立って軽くおじぎ
  • 右足からまたいで輪をくぐり、右回りにまわってもとに位置に
  • 茅の輪の正面に立って軽くおじぎ
  • 左足からまたいで輪をくぐり、左回りにまわってもとの位置に
  • 茅の輪の正面に立って軽くおじぎ
  • 左足からまたいで輪をくぐり、ご神前まで進んでお参りする

また、茅の輪をくぐるときには、

  • 蘇民将来子孫也(そみんしょうらいのしそんなり)
  • 水無月(みなづき)の夏越の祓する人は千歳(ちとせ)の命延(の)ぶといふなり
  • 祓(はら)え給(たま)え、清(きよ)め給(たま)え

などのうちいずれかを唱えながらくぐるとよりご神威が強まります。

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形代(かたしろ)

神社から配れる形代(人形(ひとがた)ともいう。)で心身を清めます。

形代は和紙でつくられた人の形を模したものです。

「陰陽道」の作法からのくるもので、

  • 形代に名前や年齢を書く
  • 形代で身体のあちこちを撫(な)でる
  • 形代に息を吹きかける
    →こうすることで形代に自分の罪・穢れが付着する
  • 神社でお清めしてもらう(神社でのお焚き上げ)

という流れとなります。

形代のイメージ
↓↓↓

神主さん
神主さん
そもそも形代の発祥は大陸から渡ってきたと言われています。

実は、今のお雛様というのはこの形代が原型です。

この形代に汚れを移し川へ流すのが本来のお祓いでした。

これは大祓詞の中に書かれているように、海に根の国という場所がありそこに穢れを持っていくと書かれています。

つまり川に流し海へ流す。これがお祓いのあり方です。

今は海へ流すことがなかなか困難なので同じくお祓いの象徴である火を使ってお祓いをしています。

大祓を奏上し、その後お焚き上げをするという流れが大体の神社の流れです。

昔のように川へ流しに入っている神社も全国にはあるようです。

大祓詞の起源や由来、書き下し文と現代語訳を紹介します 神道の世界では超有名な大祓詞について、現代語訳も含めて細かく解説していきます。 ...

セルフ大祓

ここで、自宅でできるセルフ大祓(身体から邪気を取り除く方法)を紹介します。

  • 日本酒を入れたぬるめのお風呂にゆっくりつかり汗を出す
  • 湯船から出て、天然の塩で優しく体をマッサージ
  • 塩のパワーで身体から邪気がどんどん抜けていく(実感できる)
  • 家の周りに清めの塩と日本酒を撒く
    (半年間自分が受けた穢れや禍事を塩と酒で祓う)
  • 身体も周囲の環境も新年のときのような清々しい空気に戻る

お風呂に塩を入れてみるのもおすすめです。

きつね
きつね
きつねは折に触れ、お酒と粗塩をお風呂に入れてデトックスしてます。
湯船に浸かりながら身体を塩もみです。
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まとめ

牛太郎
牛太郎
あれは茅の輪っていうのか。半年間の穢れを落とすことや疫病除けの祈願の意味があったんやね。
きつね
きつね
そうそう。

神社に行けなくても、自宅でできるセルフ大祓で節目節目でのリフレッシュができるといいよね。

せっかく日本で古くから伝わる文化に触れられるんだからそういうものを大事にしていきたいな。

それでは最後までお読みいただきありがとうございました。

みなさんの開運を心より祈念いたします。

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