豆知識

神道のお墓は仏式とどう違う?形や霊号について解説します

牛太郎
牛太郎
神道式のお墓ってあるのかな?
きつね
きつね
神道でもお墓はあるよ。
ただ、そもそものお墓の由来もあって、神式と仏式の違いって大きくはないんだよ。

きつね宅の母方の実家は神道なのですが、お墓自体は仏式のものと大きく違いはありません。

一般的にもそういうものなのかな?と疑問をもったきつねは、神式と仏式のお墓の由来や違いについて調べてみることに。

結論的に言うと、神式と仏式のお墓で大きな違いはないものの、少なからず違いはあることになります。

微妙ですね(汗

とにかく、その微妙な違いについてみていくことにしましょう。

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お墓の由来

なぜ神式と仏式のお墓で大きな違いがないのか、それはお墓自体の由来と関係します。

というのも、お墓を設けること自体が祖先を祀るという日本の風俗習慣に基づくものなので、そもそも本来の仏教にはお墓を設けるという考え方はなかったからです。

ただ、仏教そのものにはお墓の考えがなかったわけですが、日本に仏教が伝わってから、仏教での火葬の考え方が広まることで、次第にお墓の風習が広まっていきます。

そして、江戸時代の寺請制度により広く一般にもお墓が築かれるようになりました。

※寺請制度:江戸時代を通じて幕府によりおこなわれた宗教政策。一般庶民に至るまで寺院に檀家として所属すること(=寺請)が義務付けられた。

こうした、日本の風俗的な背景もあって、神式と仏式のお墓は渾然としていて一概に違いをあげるのはむずかしいわけです。

とはいえ、違いがないわけではないです。

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神式と仏式のお墓の違い

神式と仏式のお墓の違いとして、たとえば、神式では墓石のてっぺんの部分が平(たいら)ではなく、先端部を尖らせて四方を鋭角に刻む剣先状の形をしていることがあります。

このような形状を「角兜巾型」(かくときんがた)といいますが、この形は三種の神器のひとつである「天叢雲剣」(あめのむらくものつるぎ)の形を表しているのだとか。

また、神道ではお線香を供えることはないので、仏式のお線香立ての代わりに、供物を備える台(「八足台」)が設けられます。

そして、墓石の正面には「〇〇家の奥津(都)城(おくつき)」のように、家名と「奥津(都)城」の文字が記されることもあります。

さらに、仏式の戒名ではなく、男性は大人(うし)、女性は刀自(とじ)などの尊称を生前の姓名の下に付した諡名(おくりな)を用いて、墓石に個人の名を刻みます。

下の画像の右側がそれです。

このほか、

  • 自然石に仮名を刻んだ墓石
  • 土饅頭の形態
  • 墓前に鳥居を使用

などのパターンもあります。

なお、お墓そのものの違いというわけではないですが、お寺に墓地はあっても神社の敷地内に墓地はありません。

神道では死は穢れとされているためです。

そのため、通常は、鳥居の内、神社の敷地内に墓地はないのです。

ただ、お寺の墓地内に神式の墓を見かけることはありますね。

お寺によっては新式のお墓が建てられないこともあるので、事前に確認しておいたほうがよいですね。

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墓石の霊号

墓石には「奥津城」「奥都城」など刻まれることが神式のお墓の特徴のひとつと紹介しました。

「奥津城」の意味を分解すると、

  • 「おく」=奥深いや「置く」の意味
  • 「津」「都」=〜の
  • 「城」=柵・壁や棺

となります。

全体として、奥深いところにあって外部から遮られた境域といった意味ですね。

霊号(諡名)に用いられる称名

霊号(諡名)というのは、先ほどもお伝えしたように、仏教の戒名にあたるもので、故人の姓名に続けて「大人」「刀自」などの称名をつけて表す神さまの世界での名前のことです。

この霊号に用いられる称名は、年齢・性別で選ばれます。

称名の具体例としては、

  • 乳幼児:稚児、若子など
  • 男子児童:童子
  • 女子児童:童女
  • 青年男子:比古(彦)、郎子(いらつこ)
  • 青年女子:比賣(姫)、郎女(いらつめ)
  • 壮年男子:大人(うし)
  • 壮年女子:刀自(とじ)
  • 老年男子:老叟(ろうそう)、翁(おきな)
  • 老年女子:大刀自(おおとじ)、媼(おうな)

霊号の前につける「惟神」「神祇」「天津」「漏岐」「漏美」などもあります。

ちなみに「漏岐」「漏美」は、祝詞によく出てくる「神漏岐神漏美命(かむろぎかむろみのみこと)」の一部になります。

神漏岐は男性の神さまの、神漏美は女性の神さまの尊称となるのですが、さすがにこれをそのまま用いるのは畏れ多いということで、「神」の文字をとった「漏岐」「漏美」になったと考えられています。

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まとめ

牛太郎
牛太郎
たしかに、神式と仏式のお墓の違いって微妙やね…
きつね
きつね
そうそう。きつね宅の近所でもお寺の墓地の中に神式のお墓があるくらいだからね。
やっぱり神仏習合とお墓の歴史的由来がそうさせるんだろうね。

それでは最後までお読みいただきありがとうございました。

みなさんの開運を心より祈念いたします。

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POSTED COMMENT

  1. さえこちゃんゆうこちゃんパパ より:

    東照神君家康公も、神格化されて東照宮にお墓がありますね。だから神道にお墓があるのも納得です。ま

    • kaiun より:

      さえこちゃんゆうこちゃんパパ さま
      いつもありがとうございます。

      我が家の近くではお寺の管理地に神式のお墓があったりと、
      渾然一体としています(;^_^A

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