書評(神道的解説)

『運気を磨く』(田坂広志)における成功法則を神道的に読み解いてみた

今回の記事では、当ブログ初の試みとして、書評的なことをやってみたいと思います。

「書評的」と表現したのは、神道的な観点からの読み解きを加えようと考えているので、一般的な書評とは趣が違うからです。

やっぱり、『開運の神様』というブログですから、少しでもみなさんの開運につながる発信をしたいと考えているので、いわゆる"書評"だけではおもしろくないかなと。

で、初の試みとして紹介するのは『運気を磨く』(田坂広志)というビジネス書です。

きつね的に理解したこの本のポイントは、

  • 巷の成功法則では運気アップはむずかしい
  • ポジティブ思考をつめ込むよりネガティブ思考の浄化が大事

となります。

このほかにもネガティブ思考の浄化方法について様々紹介されていますが、神道的な切り口からの重要ポイントはこの2点となります。

そこで以下では、この2点を中心に神道的な観点を交えて解説していきたいと思います。

巷の成功法則では運気アップはむずかしい

あなたは「巷の成功法則」と聞いて、どんなものを思い浮かべますか?

例えば、有名どころの自己啓発書なんかだと

  • 『眠りながら成功する』(→マーフィーの法則)
  • 『ザ・シークレット』(→引き寄せの法則)
  • 『思考は現実化する』(→ナポレオン・ヒル・プログラム)
  • 『7つの習慣』(→フランクリン・プランナー)

などを思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。

世界中で時代を超えて売れに売れまくった書籍ばかりだと思うのですが、著者によると、こうした書籍で紹介される巷の成功法則での運気アップや能力開発はむずかしいとのことです。

著者によれば、人間の心の中には、

  • 個人的な意識の世界
  • 集合的な意識の世界
  • 個人的な無意識の世界
  • 集合的な無意識の世界
  • 超時空的無意識の世界

5つの世界があるそうです。

まぁ、これ自体はよく言われていることなのでイメージはしやすいかと思います。

そして、本書では、巷の成功法則は、個人的な意識の世界(=表面意識)を通じて、個人的な無意識の世界をポジティブな思考で満たすことで運気アップや能力開発につなげようとするものである、と整理しています。

著者自身も、無意識の世界をポジティブな思考で満たすことができれば、運気アップや能力開発につながるという点には同意されています。

ただ、著者は、表面意識を通じて、無意識をポジティブな思考で満たそうとすればするほど、逆に、無意識の世界はネガティブな思考で満たされてしまうと指摘します。

そのせいで巷の成功法則によっても多くの人は運気アップや能力開発につなげることができないと。

なぜなら、著者いわく、心の世界も、リアルでの電気の世界と同様に、プラスとマイナスが同時に発生するからだ、と。

つまり、表面意識にプラスの思考(=ポジティブな思考)を強く引き出そうとすると、逆に、無意識にマイナスの思考(=ネガティブな思考)を引き起こすことになるため、結局、無意識をポジティブ思考で満たすことはできない、ということです。

心の世界が電気の世界とどこまで同じように考えられるのか、この書籍ではそこまで詳細に解説されているわけではありません。

ですが、きつね的には、経験上この著者の考えに全面的に同意せざるをえません。

きつね自身、10年以上前、巷の成功法則で代表的なマーフィーの法則、引き寄せの法則などを実践したことがあります。

もちろん、きつね自身の実践方法がうまくなかったこともあると思いますが、正直、1つもうまくいったためしがありません。

  • ポジティブな思考を抱けば抱くほど…
  • ポジティブな言葉をくり返せばくり返すほど…
  • ポジティブなイメージを心に焼きつければ焼きつけるほど…

現実は好転せず、むしろマイナスになることが多かったのです。

とりわけ、恥ずかしい話なんですが、『思考は現実化する』を実践すべく、当時200万円ほどのナポレオン・ヒル・プログラムをローンで購入したものの、まぁ、悲劇的に現状の変化は起こりませんでした。

心に「エンスージアズム」=熱狂的な気持ちを持とうとすればするほどヤル気が出てこなくなるという状態が数年続いたほどです。

いや、ほんとこの数年は苦しかった…

で、その時からず〜っと心のなかで思ってたわけです。

「ポジティブになろうとすればするほどうまくいかないんじゃね?」と。

こうしたきつね自身の経験があるからこそ著者の考えに同意できるわけですね。

現在のきつねは、妻と子供3人と仲良く暮らし、仕事にも恵まれ、大好きな神社巡りを実践しながら情報発信するなど、ポジディブに開運人生を歩んでいます。

このような開運人生を歩むことができるようになったのには、無意識をポジティブ思考で満たすことはできないと知ったことに加えて、もう1つカギとなったものがあります。

それについても著者の考えに深く共鳴します。

著者は、そのカギについて「ネガティブな思考の浄化」として紹介されます。

ネガティブな思考の浄化

筆者は、表面意識と無意識との間には、いわば電化的な相関性と類似の関係性が存在することを前提に、むりにポジティブになろうとするのではなく、むしろ、無意識にこびりついたネガティブな思考の浄化を中心に、徐々に無意識をポジティブ思考で満たすようにすることが大切だと訴えます。

そのための具体的な方法として、

  • 「無意識のネガティブな想念」を浄化していく技法
  • 「人生でのネガティブな体験」を陽転していく技法
  • 「究極のポジティブな人生観」を体得していく技法

の3つの技法を紹介します。

1つめの「浄化」には、感謝の言葉づかいや嫌いな人間との和解なども紹介されていますが、きつね的には自然の力を利用した浄化が最も重要だと考えます。

というのも、運気アップの技法というのはできるだけシンプルでないと実践が続かず、効果もなかなか実感できません。

そうなるとこれまでの成功法則と変わりがなくなってしまいます。

そういう意味で、自然の力を利用した浄化は、空や雲、山や森、木々や草花、朝日や夕日、月や星などの自然の中に身を浸すというだけでできる極めてシンプルものです。

しかも、わざわざ遠出しなくても近所の山や海、月や星を眺めることで簡単に心がスッキリとする効果が得られます。

2つめの「陽転」というのは、自分に起こる出来事の解釈を変えるということです。

よく言われるのは、コップに水が半分入っているとして、それをどう解釈するかという例ですね。

「もう半分しかない」と解釈するのか、「まだ半分もある」と解釈するのか、というあれです。

著者はここからさらに考えを深めて、「この出来事は自分に、何を気づかせようとしているのか、何を学び、いかなる成長を求めるのか」というところまで解釈していくのが「陽転」だとします。

3つめの「究極のポジティブ」というのは、「陽転」がさらに深まれば、もはや自分に起きる出来事にはポジティブもネガティブもない、すべての出来事は全肯定すべし、とします。

そのための技法として、さらに、

  • 第一の覚悟:自分の人生は、大いなる何かに導かれている、と信じる
  • 第二の覚悟:人生で起こること、すべて、深い意味がある、と考える
  • 第三の覚悟:人生における問題、すべて、自分に原因がある、引き受ける
  • 第四の覚悟:大いなる何かが、自分を育てようとしている、と受け止める
  • 第五の覚悟:逆境を越える叡智は、すべて、与えられる、と思い定める

などを紹介します。

たしかに、2つめ、3つめの技法も身につけられるに越したことはありません。

ただ、実践するにはちょっとむずかしくて、身につけるのも続けるのもハードルが高いです。

1つめの「浄化」の技法のところで言ったように、シンプルで実践容易な方法でなければ、今までの自己啓発法とあまり変わりはありません。

なので、きつねは、無理に2つめ、3つめの技法を実践するよりも、1つめの「浄化」の技法をしっかりやれば良いと考えます。

そもそも、著者が1つめの技法として「浄化」を持ってきたことには意味があります。

ネガティブ思考の浄化ができれば、2つめ、3つめの技法をクリアすることは容易になるし、逆に、1つめの浄化ができなければ2つめ、3つめの技法をクリアできないからこそ、技法の1つめに「浄化」を持ってきたのだと考えられます。

とりわけ、1つめの「浄化」の技法のうち、自然の力を利用する浄化が重要になるということです。

そしてこの「浄化」の考えは、まさに神道の「祓い」の考え方です。

「祓い」の対象となる穢(けが)れとは、個人でいうと、生まれてからこの方、親から浴びせられる言葉、友達から浴びせられる言葉、職場で浴びせられる言葉、自分が自身に浴びせる言葉や評価、毎日流れてくるネガティブなニュースなどで、本書で浄化の対象とするものと同じです。

これらネガティブな思考が人間の根源的存在(=御霊(みたま))にこびりついてその輝きを曇らせます。

そうすると、運気が下がり、能力も発揮できなくなります。

逆に、こうした穢れを祓うことができれば、御霊は輝きを取り戻し、運気はアップし、能力を発揮できるようになります。

水晶を覆うホコリを払って水晶の輝きを取り戻すが如くです。

神道的な祓いの方法はさまざまあります。

一番わかりやすいのは、厄払いなど、神社でお祓いしてもらうことですね。

でも、自然の中に身を浸すことによっても祓いは起こりますし(神社には鎮守の森という自然と一体となっていることと関係します)、個人で祝詞を奏上することによっても祓いは可能です。

また、お賽銭としてお金を「払う」ことも「祓い」に通じます。

なので、神社参拝をして、鎮守の森に囲まれながら、お賽銭でお金を払い、祝詞を奏上して祈願すれば、個人で簡単にできる最高の祓い=浄化となるわけです。

こちらでは個人でもできる簡単な祝詞を紹介しています。

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つまり、神道では、しっかりと「祓い」が起きるような神社参拝をすることで、本書の「浄化」と同じことが達成できると考え、それが最高の成功法則であると考えます。

この成功法則の良いところは、御霊の輝きを回復するために祓いを行えばいいだけで、ポジティブな思考を無理にインプットする必要がないことはもちろん、先ほど紹介した本書の「陽転」や「究極のポジティブ」も必要ありません。

しかも近くの神社を参拝するだけでよいので、お金も時間もかかりません。

ただただ神社にお参りしてしっかりと祓えばいいのです。

祓うことができれば御霊は輝き、「陽転」も「究極のポジティブ」も勝手に起きてきます。

きつねの経験からすると、神社でしっかりと自然に身を浸しながら参拝すると、心がスーっと軽くなって、ものすごく気持ちが良くなってきます。

神社参拝が気持ち良いのでクセになり、毎日参拝していると、いつのころからかなんでもポジティブに考えるように自然と思考が変化してきました。

きつねは、神社参拝による「祓い」をくり返すことで、「陽転」や「究極のポジティブ思考」が勝手に身についていきました。

実は、本書のポイントである

  • 巷の成功法則では運気アップはむずかしい
  • ポジティブ思考をつめ込むよりネガティブ思考の浄化が大事

を、神道的な成功法則はすでに包含し、かつその一歩先を行っていることになるのです。

まとめ

巷の成功法則では、ネガティブ思考が無意識の領域に増大して、運気アップが遠のいてしまうので、ネガティブ思考を浄化することから始めたほうが良い、というのは、まさに神道の祓いの概念です。

また、この書籍で紹介している「浄化方法」は実践がむずかしいところもあるので、神道の祓いの実践、つまり、しっかりと神社参拝をすることでそれに替えることができます。

本文で紹介したように、きつねは10年以上前に巷の成功法則の渡り鳥化して、いろんな方法を試してみましたが何一つうまくいかず苦しい日々を過ごしました。

でも、今から3年ほど前に神道の祓いと出会い、毎日実践することで、運気がグングン上昇して、今では本当に幸せな日々を過ごしています。

『運気を磨く』は、きつねのように、巷の成功法則を実践してみたけどうまくいかない、という人にぜひ読んでもらいたいです。

そして、ちょっと実践がむずかしいところもあるな、という場合は、シンプルで簡単な神道の祓いを実践してみてください。

あなたの運気はアップし、能力も開発されていくでしょう。

今の運気を変えてみたいなと感じている方はぜひ。

それでは最後までお読みいただきありがとうございました。

みなさまの開運を心より祈念いたします。

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