祭日って「祭」の字だから神道とも関係があったりするのかな?
でもこの2つは全然ちがうものなんだよね。
しかも、祭日は神道との関係が大いにあるよ。
牛太郎はなかなかするどいね!
こちらのブログは主に神社・神道関係のネタを発信させてもらってます。
そんなブログでどうして祝祭日をとりあげるのかというと、冒頭できつねが言及したように、祭日は神道との関わりが深いからなんですね。
つまり、祝日と祭日の違いを理解するにあたっては神道からの理解が欠かせないのです。
というわけで、さっそく本題に入っていきましょう。
祝日一覧(令和3年(2021年)もあわせて)
祝日と祭日の違いを説明する前に、まずは、そもそも今、祝日がどのように定められているのか、一覧で確認してみましょう。
表の右側に、戦前の祝祭日との関係も記しておきます。
祝日名 | 日付 | 趣旨 | 祝日大祭日※ |
---|---|---|---|
元日 | 1月1日 | 年のはじめを祝う。 | 四方拝 |
成人の日 | 1月 第2月曜日 |
おとなになつたことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます。 | |
建国記念の日 | 2月11日 | 建国をしのび、国を愛する心を養う。 | 紀元節 |
天皇誕生日 | 2月23日 | 天皇の誕生日を祝う。 | 天長節 (今上天皇) |
春分の日 | (春分日) | 自然をたたえ、生物をいつくしむ。 | 春季皇霊祭 |
昭和の日 | 4月29日 | 激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす。 | 天長節 (昭和天皇) |
憲法記念日 | 5月3日 | 日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する。 | |
みどりの日 | 5月4日 | 自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ。 | |
こどもの日 | 5月5日 | こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する。 | |
海の日 | 7月 第3月曜日 |
海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う。 | |
山の日 | 8月11日 | 山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する。 | |
敬老の日 | 9月 第3月曜日 |
多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う。 | |
秋分の日 | (秋分日) | 祖先をうやまい、なくなつた人々をしのぶ。 | 秋季皇霊祭 |
スポーツの日 | 10月 第2月曜日 |
スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う。 | |
文化の日 | 11月3日 | 自由と平和を愛し、文化をすすめる。 | 明治節 |
勤労感謝の日 | 11月23日 | 勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう。 | 新嘗祭 |
※祝日大祭日とは戦前の制度。祝日と祭日の違いを考えるうえでのヒントになりますが、それは後ほど説明します。
祝日の日数的には表のとおり全部で16日です。
また、表のとおり、6月と12月は祝日がない月となります。
(令和への御代替わりにともなって平成天皇の誕生日(12月23日)は祝日ではなくなりました。)
このような日本の祝日は法律によって定められています。
国民の祝日に関する法律です。
ちなみに、平成10年以降の国民の祝日に関する法律を改正により、祝日が月曜日に定められるケースが増えました。
いわゆるハーピーマンデー制度で、土・日・月の3連休を増やして、余暇を充実させていこうという趣旨です。
その他、祝日が日曜日となるときは、その後の直近の平日(多くは月曜日)を振替休日とすることや、祝日と祝日の間の平日は休日とすることなども国民の祝日に関する法律に定められています。
国民の祝日に関する法律(抄)
第三条 「国民の祝日」は、休日とする。
2 「国民の祝日」が日曜日に当たるときは、その日後においてその日に最も近い「国民の祝日」でない日を休日とする。
3 その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(「国民の祝日」でない日に限る。)は、休日とする。
出典:国民の祝日に関する法律
令和3年(2021年)祝日カレンダー
令和3年(2021年)の祝日を整理しておきましょう。
祝日名 | 令和3年(2021年)の日付 |
---|---|
元日 | 1月1日 |
成人の日 | 1月11日 |
建国記念の日 | 2月11日 |
天皇誕生日 | 2月23日 |
春分の日 | 3月20日 |
昭和の日 | 4月29日 |
憲法記念日 | 5月3日 |
みどりの日 | 5月4日 |
こどもの日 | 5月5日 |
海の日 | 7月22日 |
スポーツの日 (通常10月第2月曜) |
7月23日 ※東京オリンピック開催に伴う例外措置 |
山の日 | 8月11日 |
敬老の日 | 9月20日 |
秋分の日 | (秋分日) |
文化の日 | 11月3日 |
勤労感謝の日 | 11月23日 |
祝日と祭日の違い
私たちはよく「祝祭日」という表現をして、「祝日」と「祭日」がそれぞれ実際に存在するように考えています。
ですが、実は、現在では休日としての祭日は存在しません。
たしかに、先ほど紹介した祝日一覧の表にあるように、明治になってから戦争が終わるまでは「祝日大祭日」という制度があり、祝日5日、大祭日7日の休日が定められ、「祝日」と「(大)祭日」とが存在していました。
しかしながら、戦後、この「祝日大祭日」は廃止され、「国民の祝日に関する法律」により新たに国民の祝日が制定されることになったのですが、その際、「祭日」はそのまま廃止されることになったのです。
というのも、「祭日」は、皇室の祭祀のうち(基本的には)大祭を執り行う日を休日として定めたものだったので、戦後の政教分離の影響を免れなかったからです。
(ただし、祝日一覧にもあるように、「祭日」の一部には現在の祝日に衣替えされたものもあります。次に詳しく説明します。)
というわけで、現在でも耳にする「祝祭日」というのは、戦前の「祝日大祭日」の名残であり、現在では祝日しか存在しないのです。
現在の祝日と神道の祭日との関係
戦前の「祝日大祭日」とは、
- 【祝日(5日)】
- 四方拝(1月1日)
- 紀元節(2月11日)
- 天長節(天皇誕生日)
- 明治節(11月3日)
- 新年宴会(1月5日)
(以上を四大節といいます)
- 【大祭日(7日)】
- 元始祭(1月3日)
- 春季皇霊祭(春分の日)
- 神武天皇祭(4月3日)
- 秋季皇霊祭(秋分の日)
- 神嘗祭(10月17日)
- 新嘗祭(11月23日)
- 大正天皇祭(12月25日)
となります。
大祭日の詳しい内容はこちらをどうぞ
この祝日大祭日を見てみると、現在の祝日に重なっているものが多くあることに気が付きます。
- 【祝日(5日)】
- 四方拝(1月1日) → 元日
- 紀元節(2月11日) → 建国記念の日
- 天長節(天皇誕生日) → 天皇誕生日
- 明治節(11月3日) → 文化の日
- 【大祭日(7日)】
- 春季皇霊祭(春分の日) → 春分の日
- 秋季皇霊祭(秋分の日) → 秋分の日
- 新嘗祭(11月23日) → 勤労感謝の日
そもそも、「大祭日」というのは、皇室の祭祀を行う日のことをさしますので、神道の儀式を執り行う日となります。
そうした祭日の一部が、戦前の「大祭日」より減ってはいるものの、現在の祝日と結びついています。
(このような、戦前の祝日大祭日と現在の祝日との関係も整理しているのが冒頭の一覧表です。)
まさに、現在の祝日と神道との深い関係を示すものです。
こうしたことも、祝祭日という表現が現在でも一般に行き渡っていることの理由なのではないかと思います。
まとめ
お休みの日だって単純によろこんでるだけじゃだめだね(汗
神道とも関係があるってわかってよかった。
意外かもしれないですが、現在では休日としての「祭日」は存在しないんですね。
にもかかわらず、今でも「祝祭日」という表現が使われている理由を整理してみました。
ぜひ豆知識としてご活用ください(笑
それでは最後までお読みいただきありがとうございました。
みなさまの開運を心より祈念いたします。