米、塩、水のタイミングと一緒でいいのかどうか、とかね。
時期によってはさ、お酒にカビとか生えやすくなったりするじゃない。
それに、交換後のお酒をどうするかもよくわかんないのよ。
無理しなくていいんじゃないかな。
そこんところ詳しく見ていこうか。
日本では、天照大神から稲穂を授かって米の文化が普及したと言われてますから、神さまと米の縁には深いものがあります。
で、その米から作られるのがお酒なので、当然、お酒と神さまとのご縁も深いということになります。
だから神さまはお酒が大好きなのです。
そういう背景もあって、神棚にはお酒をお供えしたいと考える方も多いわけですが、お供えのタイミングとか交換したお酒をどうするかとか、細かいところになるとよくわからないことも出てきます。
そこでこの記事では、現役の神主さんにご意見をうかがいながら、
- 神棚にお酒をお供えするタイミング
- お供えしたお酒の交換時期
- お供えした後のお酒の処分方法
などについて詳しくお伝えしていこうと思います。
なお、こちらの記事は以下の書籍などを参考に作成しています。
- 神社検定公式テキスト①『神社のいろは』(扶桑社)
- 『なぜ成功する人は神棚と神社を大切にするのか?』(窪寺伸浩)<あさひ出版>
- 竹田恒泰の富山チャンネル 第34回
神棚にお酒をお供えする時期
神棚にお酒をお供えする時期については、いろんなブログで諸説紹介されています。
そのためなのか、様々な意見があって、結局どれが本当かわからない、という声をよく聞きます。
そこで、まずは全国の神社を統括する神社本庁(宗教法人)が採用しているテキスト(神社検定公式テキスト①『神社のいろは』)でどのように紹介しているのかを確認してみましょう。
テキストでは、神棚へお酒をお供えするタイミングについて、
毎月1日と15日、正月、その他神社の例祭日、家族にとって大事な日にお供えする
としています。
1日と15日のお供えというのは、神社で行われる神事のタイミングに合わせるという趣旨です。
神社の毎月の神事のことを月次祭(つきなみさい)といいます。
1日か15日、あるいは1日と15日に行われます。
その他のお供えの日として、お正月や近くの神社で神事を行う日、家族での特別な日があげられています。
これが神棚へお酒をお供えする際の公式のタイミングです。
ま、家族それぞれいろんな日があっていいと思うよ。
ちなみに、テキストではお酒以外のお供えについて、
- 米、塩、水:毎朝お供えする
- 野菜、果物など:毎月1日と15日、正月、その他神社の例祭日、家族にとって大事な日にお供えする
としています。
ただ、そうはいってもこのタイミングでお酒をお供えするのもなかなかしんどいこともあるでしょう。
そこで、実際のところを神主さんに相談してみると、
毎月1日と15日にお供えすることができれば素晴らしいことですが、できる範囲でお供えしてもらえれば結構です。
とのことでした。
なので、大切なのは、お酒をお供えするタイミングについて、公式なルールを頭に入れつつ、無理のない範囲で続けること、ということになります。
神棚にお供えしたお酒の交換時期
神棚にお酒をお供えするタイミングがわかったところで、お酒を交換する時期はいつになるのか、ここでは、お供えしたお酒をいつお下げするかということを整理したいと思います。
先ほど紹介したように、お酒をお供えするタイミングが毎月1日と15日なので、そのタイミングでお酒をお下げするというのも1つの考え方です。
ただそうすると、2週間以上神棚にお酒を供えたままになってしまうことになります。
これではちょっと長すぎる気がしますね。
季節にもよりますが、梅雨から夏場の時期にこれだけの期間お供えしたままだとお酒にカビが生えてたなんてこともあります。
この点、先ほどからのテキストでは明確な記載は見つけられませんでした。
そこで、神主さんに確認すると、
続けることが大切なので、ご家庭でのルールを決めてもらうと良いですよ。
ただ、お供えが上げっぱなしになるのは良くないです。
例えば、お酒を毎月1日にお供えすると決めれば、他の日は神棚にお酒がなくても構わないので、できるだけその日のうちに下げるとよいですね。
とのことなので参考にしてくださいね。
お下げしたお酒の処分方法
それでは、下げたお酒はどのように処分するのがよいのでしょうか。
神さまにお供えしてご神威(=神さまのパワー)の宿ったお酒(=お神酒)なので、あまり「処分」という言葉は使いたくないのですが、ここでは便宜上そのような言葉遣いとします。
これまで紹介してきたテキスト『神社のいろは』では、
神様にお供えしたものは、「お下がり」として家族でいただきます。
とされていますので、家族の中でお酒が飲める方が召し上がるとよいでしょう。
ちなみに、テキストでは、神社参拝に関連して以下のように示されています。
神事の際には神様にお食事を献上する
↓
神様にお食事を差し上げておもてなしをする
↓
神事に参列した人たちでそのお下がりをいただく
という流れです。
つまり、神さまへの供えものは参拝の後にお下げして参列者みんなで食べると考えているんですね。
このように、神事の後に、神前にお供えしたお食事を神職はじめ参列者みんなでいただくことを直会(なおらい)といいます。
あなたも神社の拝殿に正式参拝した後、巫女さんからお供えしたお酒などを1杯いただいた経験はありませんか?
こちらが直会です。
↓↓↓
神社でも、家庭でも、お下がりをみんなでいただくことで、神さまのパワーを体内に取り込む、という考え方が実践されているのです。
お酒が飲めないときは?
お下がりとなったお酒を飲めなかったりする場合どうするのか、これも悩みますね。
ここまで紹介したように、正式には、家族でいただくことになりますが、これは絶対の決まりではありません。
そもそもお酒をお供えすること自体も、絶対のルールじゃありませんからね。
そこで、例えば、
- お酒が飲めない
- お供え用の容器に入れたものを飲むのはちょっと…
- 古くなって口にするのはどうも…
なんて場合には、
- 料理酒として利用する
- お風呂に入れてちょっとした酒風呂にする
- お清めとして鬼門など家の周りにまく
など、抵抗のない方法で処分することも可能です。
いずれも、体内に直接取り込むほどではありませんが、神さまからいただいたパワーを生かす活用の仕方ですね。
せっかくご神威の宿ったお酒ですので捨てるというのはもったいないな〜、と思います。
ちなみに、酒風呂には、邪気を浄化する効果があるといわれています。
昔からお清めのためにお酒が利用されてきたのは邪気の浄化が目的です。
まとめ
まとめると、
神棚にお酒をお供えするタイミングは、
毎月1日と15日、正月、その他神社の例祭日、家族にとって大事な日
となります。
とはいえ、「しなければならない」という決まりではないので、例えば、1日と15日だけにするなど、可能な範囲でお供えしてもらっても問題ありません。
また、お供えしたお酒を交換(お下げするタイミング)するのは、
神社と同じく、朝にお供えして夕方にお下げする
となりますが、こちらもご家庭の事情に合わせて調整してください。
ただ油断すると、夏の時期のお酒にはカビが生えてくることもあるのでくれぐれも気をつけて!
お供え後のお酒はお下がりとしてぜひ家族で召し上がってください。
お酒が無理だったり、ちょっと抵抗がある場合は、料理酒、酒風呂、お清め用としての活用法もありますよ。
最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。
みなさんの開運を心より祈念いたします。