神社にあるさまざまな形の灯籠をみかけることがあると思います。
夜の神社で明かりが灯る灯籠をみていると、単に照明だけではない深い意味があったりするのかな…
なんて考えたりしませんか?
この記事では、
- 神社の灯篭の意味や由来
- さまざま灯籠の種類
などについて詳しく紹介していきます。
灯籠の由来と意味
神社の灯籠の意味を知るにあたっては、全国の神社を統括する神社本庁の見解に従うのが一番です。
そこで、神社本庁が監修している『神社のいろは』で確認してみると、神社の灯籠とは、
単なる照明のためのものではなく、神の御加護をより一層強く願うため、神前に灯明を点すことを目的に祈願者から奉献されたもの
と紹介されています。
やはり神社の灯籠には、単に神社を明るくするためではなく、神さまの一層のご加護を願う祈願者の想いも込められているんですね。
そんな灯籠の由来ですが、もとは大陸から伝わったともので、お寺の御本尊のために灯すものでした。
それが、一説によると平安時代以降、神さまと仏さまが一緒にお祀りされるようになってきて(神仏習合)、しだいに神社にも置かれるようになったと考えられています。
神主さんから聞いた神社で灯籠を灯す意味
ここで、こちらのブログを監修いただいている神主さんから直接教わった神社で灯籠を灯す意味についてお伝えします。
灯篭ではないですが、忌火(いみび)と言いまして、神宮などでは数百年以上も消さずに灯る実際の種火があるそうです。
故に、神社では神聖な火を灯すことにより、神域としての印、また、魔除けとして基本的に灯りをともし続けます。
私の神社でも最低限の灯りをつけたままにして帰ります。
そして必ず当番で泊まり込み番をします。
宿直、と言ったりします。
もちろん、照明、防犯的な意味合いもあったのでしょう。
とのことなので、神社で灯籠を灯すことには、
- 火は神聖なもの
- 火は神域の印や魔除けとなる
- 照明・防犯的な意味合いもある
といった意味があるようです。
灯籠の種類
神社の灯籠には、材料・形・使い方等さまざまなものがあります。
材料でいうと、石、金属、木、陶製などがありますし、使い方でいうと、置灯籠、釣灯籠、懸灯籠などがあります。
特に釣灯籠や石灯籠では春日大社の灯籠が有名です。
釣灯籠あれこれ
【瑠璃灯籠】
【神鹿の釣灯篭】
春日大社
釣り灯籠にも鹿
神の使いの鹿
神鹿 pic.twitter.com/NGgBfFvvRy— ryo-co (@kentakiwo) March 15, 2015
【徳川綱吉の灯籠】
春日大社にて私的ざわってなったもの。徳川綱吉公寄進の灯籠 pic.twitter.com/2tnEG9AJeL
— 哉 (@ckmd951) May 2, 2019
【宇喜多秀家の灯籠】
直江兼続公の奉納釣灯籠
(隣に宇喜多秀家公)#春日大社 pic.twitter.com/IlhwevNd0Q— 喪黒さん (@paranoia_starrr) May 27, 2017
【藤堂高虎の灯籠】
藤堂高虎 奉納の釣燈籠#春日大社 pic.twitter.com/gffNsjXaJM
— うきぴ (@pingpangmako) August 14, 2017
石灯籠あれこれ
春日大社では石灯籠もさまざまな種類のものを見ることができます。
【御間型】
(春日大社)の若宮と本殿を結ぶ御間道は、かつて御百度が行われ、それを照らして支援するために寄贈されたのが灯籠の起源らしい。それだけに春日大社は古い灯籠を多くあり、鎌倉?室町?(うろ覚え)以前の灯籠約千基のうち半分が境内にあるそうだ。 pic.twitter.com/Qme5i6IsJ6
— Sひろし (@1970er) April 5, 2015
(春日大社)読める範囲で、天文や天正、慶長、元和はあった。他にも読める年号はあったが、どの時代か思い出せなかった(戦国期以外は有名でない年号はわからない)。写真は慶長と彫られた御間型灯籠 pic.twitter.com/fZuEAwqs95
— Sひろし (@1970er) April 5, 2015
【柚木型】
【奥の院型】
春日大社の石灯籠の特徴としては、
- 背丈は高いですが笠は大きくない
- 傘の先端部分には蕨手がある
- 火袋は六角か四角のもので模様が彫られている
などがあげられます。
さて、石を材料とする石灯籠は庭園にも置かれていますよね。
この石灯籠が庭園に置かれるようになったのは安土桃山時代からだそうです。
なんでも、茶の湯が発達して、庭園の風雅さも求められるようになると、庭園の照明と眺めの良さを求めて石灯籠が置かれるようになったとか。
そうなると石灯籠のデザインも、神社やお寺とは異なった洗練されたものへと変化していきます。
雪見灯籠、山灯籠、織部灯籠などです。
【雪見灯籠】
【山灯籠】
【織部灯籠】
神社やお寺での石灯籠も、時代により、また地域により様々な形が見られますが、神社の石灯籠として一般的なのは、先ほど紹介した春日大社に見られるような春日灯籠となります。
各社の石灯籠紹介【令和2年12月追記】
ここからはきつねが実際に参拝した神社の石灯籠を大量に紹介していきたいともいます。
北野天満宮の石灯籠
令和2年12月に北野天満宮に参拝する機会があったのですが、北野天満宮の石灯籠もなかなかの数です。
各石灯籠についての詳しい解説はできませんが、数ある石灯籠をお楽しみください。
まずは、一の鳥居前の巨大な石灯籠から。
一の鳥居からの参道に沿って石灯籠が並びます。
楼門手前の石灯籠
手水舎の奥の巨大な石灯籠
三光門の前には大黒さんの願かけの石灯籠も
大黒さんの石灯籠について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
もちろんそれ意外の石灯籠も
本殿に入ると由緒ある石灯籠も置かれています。
東門近くの石灯籠
住吉大社の石灯籠
住吉大社には600基を超える石灯籠があります。
住吉大社は商売繁盛のご利益があるとされるので、全国の商人が家業の反映を願って奉納したものだそう。
境内の石灯籠は六百余基に達し、その形も頗る壮大なもの、優雅なものなど多く、頼山陽、池大雅、貫名海屋、篠崎小竹、五井蘭洲、羽倉可亭など名家になる題字を刻んだものもあり、近世の住吉信仰を窺えます。
出典:『住吉大社の由緒』(御朱印といただくことができます)
実際に参拝してみて驚くのは、路面電車が走る通り沿いに並ぶ石灯籠の多さです。
もちろん、境内も所狭しと石灯籠が立ち並びます。
反橋前でも石灯籠が迎えてくれます。
反橋を渡ったあとも石灯籠
摂末社にお参りする際も、のぼりで少し見にくいところもありますが、多くの石灯籠を見ることができます。
そこかしこに石灯籠があります。
しかし、いかんせん石灯籠の数が多すぎて、有名な書家に字を書かせたものを探すのは至難かも(汗
石灯籠もさることながら、やはり国宝の社殿も見ものですので参拝されることをおすすめします。
まとめ
まとめると、
- 神社の灯籠は神威を望む祈願者から奉献されたもの
- もともとはお寺が発祥のもの
- 様々な種類があるが神社では春日灯籠が有名
- 火を灯すことには神域の印や魔除の意味がある
となります。
それでは最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。
みなさんの開運を心より祈念いたします。