今では神棚を設置する家庭も少なくなってきています。
なので、いざ神棚を設置しようと思っても、お供えものの配置がよくわからなくて…
みたいな、そんなケースが増えてきてるんですよね。
そこで、この記事では、
- 神棚にお供えするもの
- お供えの配置や並べ方のルール
などについて画像やイラストを使いながら解説していきたいと思います。
なお、こちらの記事は以下の書籍などを参考に作成しています。
- 神社検定公式テキスト①『神社のいろは』(扶桑社)
- 『なぜ成功する人は神棚と神社を大切にするのか?』(窪寺伸浩)<あさひ出版>
- 『家庭の祭祀事典』(西牟田崇生編)<国書刊行会>
また、現役の神主さんにも監修してもらっています。
神棚にお供えするものは?
このブログでは、神社神道に関する様々な疑問について、原則、全国の神社を総括する神社本庁の考え方にならい、紹介することにしています。
そこで、神棚のお供えについて神社本庁の考え方を確認してみると、
日常の神饌は、米(ご飯)、塩、水の三品です。正月や、毎月1日と15日、神社の例祭日や家族にとって大事な日には、酒、野菜、果物などもお供えします。
四季の初物やいただき物なども神棚にお供えしてから家族で頂戴したいものです。
出典:『神社のいろは』
とあります。
つまり、神棚へのお供えには、基本的なものと、特別なものとがあるということです。
内容を整理すると、
【基本的な毎日のお供え】
- 米
- 塩
- 水
【特別なお供え】
- 酒
- 野菜
- 果物
- 四季の初物
- いただき物
などがあるということです。
日々のお供えでは、米・塩・水をお供えし、正月や神社での毎月の神事など、または例えば成人式などの特別な日には、特別なお供えものをするという考え方ですね。
なお、米、塩、水、酒についてそれぞれ詳しいお供えの考え方については、関連記事を確認してくださいね。
では、これらのお供えの配置についての考え方はどうなっているのでしょうか。
続いて説明していきます。
お供えの配置をイラストで解説
お供えの配置についても神社本庁で考え方が示されています。
お供えする際には 、中央である 「正中 」を尊び 、米を中央として一番先に 、次に塩 、水の順にお供えします 。酒もお供えする場合は 、米 、酒 、塩 、水の順番です 。右の図のように横 1列に並べるのが一般的ですが 、場所がない場合は 2列でもかまいません 。その場合 、図のような並べ方をします 。
出典:『神社のいろは』
お供えの配置の大原則として、米を正中に並べると紹介されています。
正中というのは、神社本庁の傘下にある東京神社庁のHPによると、
神社では参道の中央を神さまが通る道(正中/せいちゅう)と捉えることがあります。ですから、参道の中央を避けて進むのは敬意の表れといえます。
とのことで、家庭内の小さな神社である神棚でも真ん中が重要視されることになります。
そのため、神棚へのお供えのうち、最も大切な米が真ん中に配置されることになるわけです。
なぜ米がそれほど重要なのかについての解説はこちらの記事。
(内容)お米の重要性は、アマテラスオオミカミが、地上に天下る神に、地上界で米を大切に広げるようにと稲穂を託されたという神話の世界の話に遡ることができます(これを「斎庭(ゆにわ=神々の田のこと)の稲穂の神勅(しんちょく)」といいます。)。
このように神話の時代から神聖なものとして扱われてきた米が最重要なので、
- コメを真ん中に配置して
- 向かって右に塩
- 向かって左に水
と配置するのがお供えの基本形ということになります。
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また、基本の3つのお供えに加えて、お酒をお供えするときは、向かって左の米のすぐ横に配置します。
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もちろん、神棚のスペースによって配置は変わってきますので、スペースに応じていろんな配置のバリエーションが出てきても大丈夫です。
神社本庁が紹介しているその他バリエーションはこちらです。
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このように米を中央に配置するという基本ルールーはありながらも、実際には神棚のスペースに合わせて柔軟に配置すれば大丈夫です。
各家庭の実際の配置も様々です。
米を中心に基本を踏襲する配置
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1つの平瓮(ひらか)を配置するパターン
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酒も洋酒で自由な配置!
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このブログを監修していただいている現役神主さんがおっしゃるには、
神様にお供えをして大切にお祀りしようという気持ちが最も大切ですから。
とのことでしたので、基本の考えをベースに実情に合わせて配置してくださいね。
ちなみに、お供えは、
三方(折敷)に載せて供えることが望ましい
出典:『神社のいろは』
とされています。
三方(さんぽう)はこちら
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折敷(おしき)でのお供えはこちら
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出典:東京神社庁
もちろん、食べ物を神棚の棚板に直接置くよりも、きちんと三方なりに載せたほうが「望ましい」というレベルなので、棚板に直接おいても問題はありません。
スペースの問題もありますし、可能な範囲で対応してくださいね。
お供えの置き方の順番
実は、配置だけではなく、配置する際の、お供えの置き方の順番についても神社庁のHP等で紹介されています。
お供えする際には 、中央である 「正中 」を尊び 、米を中央として一番先に 、次に塩 、水の順にお供えします 。酒もお供えする場合は 、米 、酒 、塩 、水の順番です 。
とのことなので、
- 米→塩→水
- 米→酒→塩→水
の順となります。
酒は米から作られるものなので、米まわりから配置すると覚えておけば間違いありませんね。
野菜や果物の配置
上記で紹介させてもらったように、特別なお供えには、酒のほかに、
- 野菜
- 果物
- 四季の初物
- いただき物
なども折に触れお供えすると神様はよろこばれます。
これらの特別なお供えの配置ですが、一応基本のルールは存在します。
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出典:家庭の祭祀辞典
ただ、米・塩・水ですら基本的な配置の考え方はあるものの緩やかなものですから、特別なお供えの配置であればなおさら緩やかなものとなります。
そもそも、現実問題、特別なお供えを神棚に配置するスペースはほとんどない家庭が大多数ではないでしょうか。
実際、神棚に野菜や果物をお供えするようなケースというのは、
新居で神棚を設置するにともなってお祓いをするとか
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会社で特別なお祀りをするとか
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などのかなりレアなケースに限られます。
なので、特別なお供えについては、現実には、神棚近くのテーブルや棚に置いて参拝することで、お供えしたことにするようなやり方となります。
この点、現役神主さんに確認しても、
神棚にスペースがなければ神棚近くに配置して参拝することで十分なお供えとなりますよ。
とのことでした。
まとめ
神さまにはお腹いっぱい食べてもらいたいので神棚には置ききれないくらいのご馳走を用意するぞ。
まとめると、
- お供えには基本のお供えと特別なお供えとがある
- 基本形では米を中心に向かって右側に塩、向かって左側に水を配置
- 酒をお供えするときは中心の米の向かって左に割り込ませて配置
- いろんな配置のパターンを画像やイラストで紹介しているが神棚の大きさに合わせて柔軟に対応可
- お酒以外の特別なお供えには、果物、野菜、季節の初物、いただき物などがある
- 配置の一応のルールはあるが家庭祭祀においては気にしなくてよい
最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。
みなさんの開運を心より祈念いたします。
ご説明と写真が食い違っています
・「三方(さんぽう)はこちら
↓↓↓」の下の画像では酒2本+水玉(中央)+皿(おそらく米(左?)と塩(右?)
ご説明では米が一番奥 ということですが、画像では配置が異なって見えます。
・これらの特別なお供えの配置ですが、一応基本のルールは存在します。
↓↓↓の下の図
中央の皿に 米塩水酒 とありますが、「また、基本の3つのお供えに加えて、お酒をお供えするときは、向かって左の米のすぐ横に配置します。
↓↓↓」の下の図では 「水酒米塩」となっていて食い違っています。
どちらかに統一していただくと疑問が解消されます。
もんもん様
コメントありがとうございます。
たしかに、言葉の説明とイラストとがズレている箇所がありますね。
大変貴重なご指摘ありがとうございます。
ただ、神社本庁の考え方をベースにした本記事の解説としましては、
あくまでも本文中の文字解説を採用していただければと思います。
とはいえ、当ブログでのコンセプトとして、基本の考え方は押さえつつも、
より自由に、より柔軟に、神様からのパワーをいただくというものがあります。
なので、文字解説を押さえつつ、自由にお祀りいただければと思います。
もんもん様の益々の弥栄を祈念いたします。